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最強タッグの名に相応しい“夫婦”!?
若手に抗う諏訪魔&石川修司の壁。 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2019/12/12 18:00

最強タッグの名に相応しい“夫婦”!?若手に抗う諏訪魔&石川修司の壁。<Number Web> photograph by Essei Hara

左から石川修司195センチ、130キロ。諏訪魔188センチ、120キロ。2つの巨大な山は、ベテランになっても強い!

ハンセン&ブロディ組と対戦という妄想も……。

 だが、諏訪魔・石川というタッグは「最強」の名に値した。

 2人同時に、野村にドロップキックを突き刺した時、別の“あの2人”を思い出してしまったほどだった。それは、かつてミラクルパワー・コンビと呼ばれた「スタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディ組」である。あの2人もかつて、同時にドロップキックで飛んでみせ観客の度肝を抜いたのだ。

 時を越えた2つのチームの戦いを見てみたいと思った――ハンセン・ブロディ組vs.諏訪魔・石川組。もう、決してかなわないことではあるけれど、そんなド迫力の戦いを、この巨人たち相手になら勝手に想像してもいいだろう、と思った。

 それくらい諏訪魔と石川には、年齢を感じさせないパワーがみなぎっていた。驚くほど、2人の呼吸はあっていた。それはまさに“絶妙”としか言いようがない呼吸だったのだ。

 試合後、「まるで夫婦みたいだな」と互いに笑ってみせた諏訪魔と石川。そこには同じ時代を生きて来た強いもの同士のリスペクトも感じられた。

「TAJIRIの毒霧を浴びて目が見えないときに、諏訪魔さんが押さえこんでくれた」と石川が感謝すれば、諏訪魔も「(決定戦の)最後は石川さんが押さえてくれて優勝できた」とパートナーを称えた。

石川「この意地で全盛期を伸ばしてきたので……」

 何発打っただろう。何発浴びただろう。野村の気迫のエルボーの連打も、結局この2人の大巨人を倒しきることはできなかったのだ。

 フィニッシュはジャイアント・スラムだった。石川は野村を抱え上げると、キャンバスに自らの体重を浴びせて叩きつけた。

「めちゃめちゃしんどかったけれど、最高にうれしい。ぎりぎりだった。本当に、意地ですね。この意地で全盛期を伸ばしてきたので、もっともっと意地を張っていきたい」

 石川は諏訪魔との2年ぶり2度目の最強タッグ制覇を素直に喜んだ。

【次ページ】 「オレたち“暴走大巨人”。オレたちの試合が一番面白い」

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