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シブコとRSK山陽放送の幸福な関係。
「プロになったらウチに所属してね」 

text by

石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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photograph byRSK

posted2019/10/09 20:00

シブコとRSK山陽放送の幸福な関係。「プロになったらウチに所属してね」<Number Web> photograph by RSK

全英女子オープンに駆けつけたRSK山陽放送の桑田社長(左)。歓喜の瞬間は「人の陰になって見えなかった」そうだ。

契約当時は社内でも無名の存在。

 翌'18年、渋野はプロテストに合格。『SUNDAYスマイルGOLF』出演が実現し、今年2月には所属契約を結ぶことになったが、当時は社内でも渋野のことを知る人は少なかったと桑田社長は振り返る。

「多くの社員が『どんな選手ですか?』と言っていました。もっとも、所属契約とはいえ、微力ながら応援したいと思ってのことです。ケガをせず、堂々とプレーしてほしいという思いだけでした」

 契約を結び、桑田社長との2ショット写真とともに喜びのコメントをインスタグラムにアップした渋野は、5月にツアー初優勝、7月には2勝目を挙げる。

「自分のことのようにうれしかったですね。数多くのプロがいる中で、デビューした年に優勝するとは」

 桑田社長は快進撃を喜びつつ、渋野の実力にあらためて驚いた。

全英に足を運んだ桑田社長。

 所属選手になったとはいえ、気を遣わせてしまうのではないかという思いもあり、プロになってから会場で応援したことはなかった。AIG全英女子オープンへの出場が決まったときも、最初は躊躇したが、やはり応援したい思いが募り、同じく渋野をサポートしている岡山県の企業関係者とともに現地へ。

「初日のスタート前に会って、少しだけ話をしました。『緊張してる?』と聞いたら『そうでもないです』と言っていましたね」

 初日と2日目を2位で終えた渋野は、3日目には首位に立つ。

「どんどんスコアを伸ばしていくので、『ひょっとしたら』という思いは私だけじゃなく、応援に行った全員が持っていたと思います」

 現地時間8月4日、最終日。渋野は17アンダーの首位タイで最終18番ホールを迎えた。ティーショットを見届けた桑田社長が早めにグリーン周りへ向かうと、すでに二重三重の人だかり。何とか隙間を見つけて待っているところに、渋野は2打目を約5mの距離に乗せてきた。

【次ページ】 優勝の瞬間は「見えなかった」

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渋野日向子
RSK山陽放送

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