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日本バスケが突きつけられた現実。
W杯で得た課題と、どう向き合うか?

posted2019/09/05 12:20

 
日本バスケが突きつけられた現実。W杯で得た課題と、どう向き合うか?<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

チェコ戦で惜しくも敗れたバスケットボール日本代表。目標としていた1次リーグ突破の可能性は途絶えた。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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Yukihito Taguchi

 19点差の敗戦から13点差の敗戦へ。スコアは改善されたとしても、突きつけられる事実は変わらなかった。

「勝つためにはより良いディフェンスをしないといけませんし、リバウンドの面でも改善しないといけない」

 中国で行われているバスケットボールW杯2戦目。チェコを相手に76-89で敗れたあと、八村塁はそう振り返った。

 これで日本は1次リーグで2連敗、1次リーグ突破の可能性は消滅した。1次リーグの3試合を終えたあとは、全参加国の下半分、17位から32位までを決める順位決定ラウンドへ回ることになった。

テストマッチとW杯との差。

 初戦で当たったトルコは、入念なスカウティングで日本の良さを消そうとしてきた。そこに日本は戸惑い、苦しんだ。

 日本は過去にないレベルの充実した相手とのテストマッチを、8月に6試合も組むことができた(完全非公開のチュニジアとの練習試合を含む)。

 しかし、彼らは公式戦とは異なり、日本を研究し、対策を講じてきたわけでもない。日本もまた、テストマッチの相手の分析と対策は最小限にとどめていた。バスケットボールに限らず親善試合にありがちなことだが、両チームがお互いの良さを出し合う戦いだったわけだ。そして迎えた本番、日本は相手国の徹底的な対策にあきらかに苦しんでいた。

 そして、1つひとつのプレーのインテンシティーもテストマッチとW杯とでは大きく異なる。

 2戦目のチェコ戦を控えて、ベテランの竹内譲次はこう話していた。

「経験の差は、もちろんあると思います。ただ、それですませてよい場所でもないし、経験がないながらも、自分たちが出せる力を出そうとしなきゃダメ。個人個人が受け身になるのではなくて、もっと積極的にやることが必要なのかなと思います」

 2006年の世界選手権(現在のW杯)の経験者である竹内譲次が語ったように、選手たちは与えられた状況で何とかしようともがいていた。

【次ページ】 本職ではない田中のPG起用。

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