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8月初旬までに日本馬が18頭で25戦。
海外挑戦はもはや特別ではない。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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posted2019/08/13 07:00

8月初旬までに日本馬が18頭で25戦。海外挑戦はもはや特別ではない。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

ディアドラは5月から現地に滞在し、GI勝利を掴んだ。

ディアドラの今後をオーナーに聞いた。

 話をヨーロッパに戻そう。

 先述した通りシュヴァルグランの次走は間近に迫って来ているが、ディアドラに関してもそのままニューマーケットに残り調整が続けられている。ナッソーSを制した後、オーナーである森田藤治氏に伺った話だと、今後は未定としながらも候補としてはアイルランドのアイリッシュチャンピオンS(GI)のほか、カナダのカナディアンインターナショナルS(GI)、また、その後のジャパンC(GI)まで、可能性はあるようだ。

 ちなみにヨーロッパで報道された凱旋門賞挑戦プランに関しては現状、登録をしていない事から現実的ではないと思われる。

 他にもオーストラリアでGIを2戦(ドンカスターマイル4着、クイーンエリザベスS2着)したクルーガー(牡7歳、栗東・高野友和厩舎)、アメリカ遠征(ペガサスワールドCターフ9着)したアエロリット(牝5歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)、変わり種としてはカタールへ飛んだ(アイリッシュサラブレッドマーケティングC9着)ユウチェンジ(牡6歳、栗東・森秀行厩舎)など数多くの馬が日本を発ち、海の向こうで戦った。

 先にも記したドバイと香港を加えると8月初旬の段階で実に18頭が海を越え、計25戦ものレースを走っている。

 大分当たり前のようになってきたこういった遠征は、海外挑戦が決定しただけで大見出しになっていたひと昔前とは隔世の感がある。

肩肘を張らず、普通になった。

 この度、発表されたオーストラリアのコックスプレート(GI)にも、先のクルーガーの他にこの春の香港でも3着(クイーンエリザベスII世C)したリスグラシュー(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)、スズカデヴィアス(牡8歳、栗東・橋田満厩舎)、マイネルファンロン(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)と4頭の日本馬が登録。

 リスグラシューのこの競走への挑戦は無さそうだが、クルーガー陣営は早くもその招待を受諾したそうだ。

 コーフィールドC(GI)やメルボルンC(GI)、また同時期にアメリカで行われるブリーダーズC開催にもコパノキッキング(せん4歳、栗東・村山明厩舎)陣営が挑戦意思を表明するなど、今後も多くの日本馬が海を越えて向こうのビッグレースに挑戦しそうだ。

 肩肘を張らず、普通になってきた海外挑戦の中から、今回のディアドラのような朗報がまた届けられる事を願いたい。

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