プレミアリーグの時間BACK NUMBER

リバプールがマンCに雪辱を果たす!?
今季のプレミアリーグを大胆予想。 

text by

山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

PROFILE

photograph byUniphoto Press

posted2019/08/09 08:00

リバプールがマンCに雪辱を果たす!?今季のプレミアリーグを大胆予想。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

8月4日に行われた「コミュニティ・シールド」マンチェスターC対リバプールは、1対1のままPK戦にもつれ込み、5対4でマンCが勝利を収めた。

3、4位のCL出場枠争いは予断を許さない。

 同じようなことが、トップ2の後塵を拝する第2グループにも言えない点は淋しいが、3、4位のCL出場枠争いは今季も予断を許さない。2枠を争う“ビッグ6”の残る4強からは、監督の首をかけたシーズンという危険な香りまで漂う。

 補強なしで迎えた昨季、プレミアでのトップ4維持とCL決勝進出を成し遂げたトッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノも例外ではない。就任6年目となる指揮官は、7月初旬にタンギ・ヌドンベレをクラブ史上最高額で獲得したものの、後が続かず。一方、主砲のハリー・ケインと並んで攻撃の要人と言えるチャンスメイカーのクリスティアン・エリクセンの引き留めが難航する状況に、不満を見せている。結果として生じるフロントとの摩擦からトップ4争いで出遅れれば、ビッグ6監督陣の中で今季最初の犠牲者となる可能性さえ報じられている。

 アーセナル2年目のウナイ・エメリには、セビージャで3連覇を果たした実績に伴う「EL優勝請負人」の期待に応えられず、リーグ5位に終わった昨季を失敗とみなす向きもある。チェルシーとの決勝で精彩を欠いたメスト・エジルと腹を割って話し合い、決意も新たにさせたと言われるが、技巧派の司令塔が今季も大一番で“消える”ようなことがあれば、監督として責任を問われかねない。

「情に流された監督抜擢」と揶揄。

 昨季6位のマンUは、オレ・グンナー・スールシャール体制下での初めての夏も、中盤の核になり切れないポール・ポグバの去就問題に揺れている。また、移籍金8000万ポンド(100億円強)の価値が疑問視されるCBハリー・マグワイア獲得など、移籍絡みの雑音が一向に収まらない。昨年12月から指揮を執る元FWは、今年4月以降の7試合で1勝しかできなかった情けないフィニッシュを受け、その就任自体が「焦りによる“迷断”」とも言われるなか、初のフルシーズンに臨もうとしている。

 スールシャール以上に「情に流された監督抜擢」と揶揄されているのが、チェルシーのフランク・ランパードだ。

 レジェンドの帰還がクラブに与えるインパクトはスールシャールに劣らないはずだが、純然たる新監督として眺めると物足りない。就任1年目の昨季、リーグ3位でCL復帰を果たし、EL優勝のノルマを果たしながらセリエA王者ユベントスに移ったマウリツィオ・サッリの後任が、監督歴は2部での1年しかない新米なのだから、前途多難と見られても仕方のない部分はある。

 トップ6さえ危ぶまれる展開となれば、基本的に堪え性のないオーナー以下フロントが、エデン・アザールがレアル・マドリーに去ったうえに、FIFA(国際サッカー連盟)による処分で新戦力獲得が許されない今季の事情をハンディとして考慮してくれるかも怪しい。そのため8月11日にチェルシーがアウェイで迎えるマンUとの開幕戦を、トップ4争いと監督サバイバル戦の双方で「勝ち点が2倍」のインパクトが見込めるとして、「6ポインター」と呼ぶ声もあるほどだ。

【次ページ】 ウルブズとレスターの「高揚感」。

BACK 1 2 3 4 5 6 NEXT
マンチェスター・シティ
リバプール
アーセナル
トッテナム
マンチェスター・ユナイテッド
チェルシー

海外サッカーの前後の記事

ページトップ