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ベイスターズの“幸運のお守り”。
石川雄洋が通算1000本安打目前。 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2019/08/03 11:30

ベイスターズの“幸運のお守り”。石川雄洋が通算1000本安打目前。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

4月29日の巨人戦では一軍昇格即スタメン出場すると、チーム連敗を10で止める決勝本塁打。

多くの同級生がチームを去っていった。

 石川自身、この2~3年は若手のサポートを意識しているという。

「けどまあ普通に会話をしているだけですよ。わからないことは自分から聞くこともありますからね。そうやってまわりが評価してくれるのは嬉しいけど、普段通り変わらずやるだけですよ。少しでもチームの力になりたいだけです」

 飄然と石川は言ってのけた。この自然な力加減に空気を変える力があるのだろう。

 思えば同級生として切磋琢磨し、ともに戦った山崎憲晴や須田幸太、松本啓二朗らはもうチームにはいない。ある意味、生き残ったからこそやらなければいけないことがある。

「寂しい思いはありますよね。だから自分が頑張らなきゃいけないという気持ちもありますよ。一応、最年長だし、若い選手の見本になれるようにしないと」

「役に立てるのであれば、僕が必要ならば」

 近年はリカバリーが遅くなったのが原因で、怪我が多くなってきたという。オフの自主トレではプロトレーナーの安福一貴氏の指導を受け徹底的に走り込みコンディションを作り上げた。

 常に準備をおこたらず自身をアップデートしなければ、この世界で戦えないことを石川は知っている。

 現在チームは一丸となり21年ぶりのリーグ優勝、延いては日本一を目指しているわけだが、一昨年進出した日本シリーズに石川は出場しておらず、テレビ観戦を余儀なくされた。やはり仲間たちと一緒にあの大舞台に挑みたいという思いはあるだろう。

「それはもちろんありますよ。ただ、僕がチームにいなくて勝てるのであれば、それでもいいと思うんですよ。もし役に立てるのであれば、僕が必要ならば、その場にいれるのであればいたいですね」

【次ページ】 かつての辛辣な野次もずいぶん減った。

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