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花巻東と佐々木朗希への思い――。
大谷翔平が“決勝前”に話した言葉。 

text by

笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph byNanae Suzuki

posted2019/07/27 09:00

花巻東と佐々木朗希への思い――。大谷翔平が“決勝前”に話した言葉。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

母校とともに佐々木朗希への思いを述べた大谷翔平。自身も二刀流復帰へ向けて着々と歩みを進めている。

二刀流復帰へ「いいんじゃないかと」

 さて。

 7月25日現在、大谷は打者として65試合に出場し、打率.300、14本塁打、41打点の成績を残している。2番マイク・トラウトとのコンビは、対戦したドジャースの前田健太、マリナーズの菊池雄星が「メジャーでトップクラスの破壊力」と警戒するほど。その中で、来季の二刀流完全復帰へ向け徐々に投手としての時間も増えてきた。

 23日には昨年10月1日のトミー・ジョン手術以降、6度目のブルペン投球を行った。捕手を座らせて25球の投球数は術後最多。大谷はよどみなく答えた。

「球数も思い通りに(伸びて)きていると思うので、いいんじゃないかと思います」

 8月には術後11カ月目を迎える。復帰を急ぐ投手ならば、ブルペンでは変化球も投げ始める頃となるが、大谷の調整は泰然自若だ。

自己制御しながらのブルペン投球。

 投げる球種は直球のみ。力の入れ具合も5、6割程度。それでも何故か、彼はいつも水原一平通訳に簡易型のスピードガンで球速を測ってもらっている。ガン表示は決まって68マイル(約109キロ)前後。真意を問うと彼は何故かいたずらっぽい表情を見せた。

「強度を測る上で数字が出るので。それより上げないようにと言うか……。ひとつの基準として、はい」

 目的は自己制御。リハビリが順調であるとついつい腕を振ってしまうのが投手の本能というもの。その傾向が他の投手より色濃い大谷には制限ツールが必要であり、そのためのスピードガンだった。

【次ページ】 ポストシーズンのウルトラCプラン。

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