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柳田不在の穴は誰が埋めるのか。
「3番・今宮」の可能性は? 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byKyodo News

posted2019/04/10 11:15

柳田不在の穴は誰が埋めるのか。「3番・今宮」の可能性は?<Number Web> photograph by Kyodo News

今季すでに柳田に並ぶ、4本のホームランを放っている今宮健太。

「3番・今宮」はどうか。

 しかし、別案もある。少し大胆かもしれないが、「3番・今宮」はどうだろうか。

 先述したとおり打撃好調。ひと際目を引くのが本塁打の数だ。10試合で4発。かつて高校時代に通算62ホーマーのスラッガーとして鳴らした男がプロ10年目を迎え、ついにひと皮むけたのか。今宮は今季の打撃について、次のように自己分析をしている。

「今は右(方向)を意識していない。しっかりとスイングした中で飛んでいく。今までも周りから散々言われてきたし、やった時期もあります。でもチキンなんで(苦笑)」

 毎年打撃向上を課題に挙げてオープン戦では打撃好調も、シーズンに入ると結果を欲しがるのか打撃が小さくなっていき数字が伸びない。ここ数年はそれの繰り返しだった。

「今は右に引っ張るくらいの意識で、とにかく自分の間で、スイングを入れるようにしています」

 打ちにいく姿勢も今はいいと話す。下半身の“割れ”も出来ている。上半身が残った状態でしっかり左足が踏み込めているから、タイミングが上手く取れて自分のスイングも出来ている。

高校時代の強打もよみがえる?

「理想は、バントをしないことなんです」

 パ・リーグのシーズン犠打記録62を決めた頃も、そのように話していた。

 プロ入り当時、今宮は「小さな巨人になる」と将来像を語っていた。小柄だとしても鍛えていけば、プロ野球の世界でも強く大きな打球を打てるんだと自信をのぞかせていた。

今季から背番号を6に変えた。高校時代は二刀流として活躍したが、マウンドに上がった時も6番をつけていた。「ずっと思ってきた番号」。結婚記念日は6月6日。偶然だが、昨年の同日には第二子が誕生した。

 プロ10年目を迎えて原点も見つめ直しながら奮闘する中、あの当時のような打棒がよみがえりつつある。

 今宮を3番に据えれば、2番は誰が……という悩みは生まれるが、「3番・今宮」で何かが覚醒することも期待をしている。柳田不在の期間にそれは実現するのだろうか。

【次ページ】 故障者続出のホークス。

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