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東邦、習志野、そして大阪桐蔭。
センバツ決勝での応援と友情の輪。 

text by

梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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photograph byOSAKA TOIN SYMPHONIC BAND

posted2019/04/05 11:55

東邦、習志野、そして大阪桐蔭。センバツ決勝での応援と友情の輪。<Number Web> photograph by OSAKA TOIN SYMPHONIC BAND

東邦の友情応援を快諾した大阪桐蔭。今年の夏はアルプス直接対決の実現も?

校歌も歌い上げた大阪桐蔭吹奏楽部。

 準々決勝まで大阪桐蔭がマーチングバンド部の留守を頼もしく守り、準決勝からはいよいよ合同応援。

 今大会では大阪桐蔭の野球部が出場できず、「東邦の友情応援が決まった時は、正直複雑に思った」という生徒も少なくなかったが、試合を重ねていくうちに情も湧いてきたのであろう、勝つたびに飛び上がって喜び、試合終了後にスタンド前に挨拶に来る東邦ナインに、手を振りながら「おめでとう!!」と大声援を送っていた。

 曲と振り付けは完璧に覚えたものの、1回戦の勝利時に東邦の校歌が歌えなかった。梅田氏は「今日の反省点。校歌が歌えなかったので、次までに覚えてきます」と生徒たちとともに練習し、2回戦からは完璧に歌い上げた。これには東邦の榊直樹理事長も「まさか校歌まで歌ってくれるとは」と驚き、大変感激していた。

準決勝からは合同応援が実現。

 フロリダ遠征で、ディズニーランドでの演奏や、現地の高校生と交流してさまざまな経験を積み、ひと回り成長したマーチングバンド部が3月31日に帰国。4月1日の休養日翌日から応援に駆けつけ、「大阪桐蔭の皆さんと一緒に演奏できてとてもうれしい」と喜び、大阪桐蔭の生徒も「楽しくて楽しくて、とにかく楽しいとしかいいようがない」と終始笑顔が絶えず、一体感のある演奏を繰り広げた。

「やっと帰ってきてくれてうれしい。自分たちの仲間が大阪桐蔭の皆さんとひとつになって、さらにパワーアップしてすごく力になります」と、団長の山田君も喜びを隠しきれない様子だった。

 大阪桐蔭吹奏楽部の父兄たちも大勢観戦に訪れ、いつもの応援と違う子どもの姿を見て「動いてる!」「回った!」と盛り上がりながら東邦を応援。大阪桐蔭の今田悟校長も東邦の帽子をかぶって観戦し、「いつものうちの応援と違って新鮮ですね。試合も、自分の学校ではないので安心して観られます」と笑っていた。

【次ページ】 決勝戦は習志野との名門吹奏楽部対決。

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