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松山英樹、締めは“Big Move”で。
5年連続トップ30は世界で4人だけ。

posted2018/09/27 11:15

 
松山英樹、締めは“Big Move”で。5年連続トップ30は世界で4人だけ。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

松山英樹にとっては米ツアー挑戦以来もっとも難しいシーズンだった。その1年を上々の形で締めくくり、今彼は何を思うのだろうか。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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 アトランタのダウンタウンを南北に走るハイウェイ。高層ビル群を左目に収めながら南下していくと、州間高速道路75/85号線は途中、東西に横断する20号線に道を分ける。

 片側7車線の右から2番目のレーンを取り、東方面へ車を滑らせて程ないところに、イーストレイクGCはある。前年秋に始まるPGAツアーのシーズン最終戦・ツアー選手権の開催コースだ。

 年間のポイントレースであるフェデックスカップは、プレーオフ第3戦(全4戦)終了時の上位30人が最終戦に進出する。彼らには、翌年のマスターズ、全米オープン、全英オープンといったメジャーの出場権が与えられる。

 アトランタから20号線でさらに東を目指す際、車は約240km先の「AUGUSTA」の標識を見ながら走る。イーストレイクの先には、マスターズの会場であるオーガスタナショナルGCが確かにある――来るたびにそんなことを思い起こさせる土地だ。

5年続けてツアー最終戦にいるのは4人だけ。

 松山英樹は、この最終戦にツアー本格参戦初年度の2014年から5年続けて出場した。毎年、シーズンの最後に30人の“エリート”が決まるわけだが、目下5年以上続けて進出しているのは彼を含めて4人しかいない。

 毎年、継続的に高いレベルの成績を残していることの証明ではある。ただこの2017-18年シーズンは、これまでになかった経緯でフィールドに滑り込んだ。

 昨年10月に開幕してから年明け1月までの3試合で2回トップ5入りをした後は、優勝どころか上位争いからも遠ざかった。2月初旬から左手親指付近の炎症をきっかけに1カ月半の離脱も余儀なくされた。4大メジャーでも一度もトップ10入りがなかった。

 8月にレギュラーシーズンを終えた段階で、ポイントランクは76位と低迷。ようやく本領を発揮したのはここからだ。各試合で順位に応じた配分ポイントが、通常の4倍前後になるプレーオフシリーズ4戦で、15位、4位、15位、4位の成績を残した。ジャスティン・ローズがトップで年間王者となり、最終戦で5年ぶりの復活優勝を遂げたタイガー・ウッズが2位に入ったランキングは、ロリー・マキロイと並んで13位で終えた。

【次ページ】 夏休みの宿題の独特なこなし方。

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