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甲子園で球数制限しない理由は無い!
天才と2番手投手の双方に利点アリ。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2018/08/27 08:00

甲子園で球数制限しない理由は無い!天才と2番手投手の双方に利点アリ。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

決勝戦の5回裏。マウンドからベンチに戻ってきた吉田輝星。次の6回には、打川和輝にマウンドを譲った。

球数制限をしない理由が無い!?

 特にピッチャーは、ボールの速さが昔とは比べものにならない。

 今大会の140km超えは、なんと58人(38校)!

 やはり大阪桐蔭が優勝した10年前の2008年は34人、松坂大輔(横浜)が席巻した20年前の1998年はわずか7人である(いずれも『報知高校野球』より)。

 この20年間で、高校野球界における投手の球速がとんでもなく上昇しているのがわかる。

 複数投手制と140km超えの投手が増加している現象を考えれば……投手の球数制限は良い解決策だとすぐに納得できるはずだ。

 これだけ様々な情報が流通している時代、ウエートトレーニング等による体作りでも私立・公立の差は縮んできているはず。そうなるとこれからの時代は、合理的な技術指導によって「素質(もしくはスカウティング)」の壁を乗り越えることに注力することになっていくのだろう。

 一般的な学校・球児を守るためと称して制度改正を進めず、一部の学校・監督の判断で超高校級の才能ある投手の肩・ヒジを酷使し続ける――それを誰もがおかしいと思わないところに現在の高校野球の問題があるのではないだろうか。

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