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渡邊雄太が次に進む道はどこ?
目指すべきNBAと日本代表の試合。

posted2018/07/21 08:00

 
渡邊雄太が次に進む道はどこ?目指すべきNBAと日本代表の試合。<Number Web> photograph by Getty Images

ネッツの一員としてサマーリーグに出場した時の渡邊雄太。NBAと同時に、日本代表に参加できるかも気になるところだ。

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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Getty Images

 7月21日追記。現地時間、7月20日午後(日本時間7月21日朝)、メンフィス・グリズリーズが、渡邊雄太と2ウェイ契約(*)を交わしたと発表しました。以下の記事は発表前に書いたもので、すでに状況が変わっている部分もありますが、NBAサマーリーグ中の渡邊雄太がどういうプレーをし、何を考えていたのか、それに対して周囲がどう評価していたのか、今後の課題は何なのか、そして代表活動参加にどう影響を与えるのかなどを詳しく書いたものなので、現状を理解するためにも、そのまま公開致します。渡邊のGリーグ/NBAでの状況については、今後も追いかけていく予定です。
*2ウェイ契約: 2017-18シーズンから始まった新しい契約形態。傘下のGリーグチームに所属しながら、必要なときにはNBAチームがロスター枠、サラリーキャップの制限外で招集でき、試合に起用することができる選手契約。ただし、NBAチームに招集できるのはシーズン通して最長45日までの制限付き。NBAチームに招集された日の分はNBAが定めるミニマム・サラリーの日割り分を受け取ることができる(招集されなかった場合で7万5000ドル~。45日間招集された場合で27万5000ドル)。

 渡邊雄太にとって、熱く、刺激的な8日間が終わった。7月6日から13日まで、ラスベガスのUNLV(ネバダ大ラスベガス)において行われていたNBAサマーリーグに、ブルックリン・ネッツのサマーリーグ・チームの一員として出場した。サマーリーグは、NBA若手選手や、ドラフトされたばかりのルーキー、NBA入りを狙う選手たちが集う登竜門的な大会である。

 そのなかで渡邊は、5試合すべてに出場し、1試合平均出場時間24分、9.4点、4.2リバウンド、1.2アシスト、0.8スティール、1.6ブロックを記録した。

 当初は控えからの出場だったが、練習や試合でのプレーが認められ、最後の2試合は先発起用されている。上位ドラフト指名選手とマッチアップしたり、ポジションでもウィングの選手からビッグマンまで相手に守り、A10カンファレンス最優秀ディフェンス賞を受賞したディフェンス力が本物であるところを見せた。

 攻撃でも、3Pシュートや1対1のドライブイン、あるいはプルアップ・ジャンパーなど自ら得点するだけでなく、味方へのパスなど、幅広いプレーができることを披露した。数字から受ける印象以上に、結果を残した5試合だった。

彼らに劣っているとは思わない。

 渡邊自身も、サマーリーグ終了後に、「ドラフトで指名された選手や、NBA1~2年目を経験している選手を相手にする機会はふだんなかなかない。即席チームではあったけれどチームに入ってプレーして、自分自身、彼らに劣っているとは思いませんでした」と、頼もしい感想を語っている。

 サマーリーグ・チームのヘッドコーチを務め、レギュラーシーズン中は、ケニー・アトキンソンHCのもとでリード・アシスタントコーチを務めるジャック・ボーンも、「彼はすばらしい1週間を送ったと思う。ここでのプレーで彼の才能に気づいた人たちもいたはずだ。シュート力に加え、ゴールに攻めていたし、とても賢い選手だというところを見せた」と、渡邊を評価した。

【次ページ】 NBAのロゴがある体育館だけど。

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