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シャルケvs.ドルトは“ビール劇場”。
ダービーの一体感と麦芽に酔う! 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2018/04/27 07:00

シャルケvs.ドルトは“ビール劇場”。ダービーの一体感と麦芽に酔う!<Number Web> photograph by Getty Images

試合後にはシャルケのテデスコ監督(中央)がマイクを持ち、ファンとともに声を挙げる場面も。

地下に巨大ビールタンクとパイプライン!

 このスタジアムの地下には、フェルティンス社所有の巨大ビールタンクが備え付けられていて、そこからスタジアム全体のビール売り場へ全長約5キロに渡ってビール専用のパイプラインが張り巡らされています。

 そのため、ファン・サポーターはいつでも新鮮なフェルティンス・ビアを味わえるわけです。またシャルケは、今季のホーム初戦RBライプツィヒ戦に訪れた16歳以上の入場者全員にビール無料券を配布しました。さすがはビール会社。太っ腹です。ちなみにドイツでは、法律で16歳以上からビールを飲んでも良いようです(蒸留酒は18歳以上)。

 マンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールド・トラッフォードは「The Theatre of Dreams(夢の劇場)」と称されますが、フェルティンス・アレナは、言ってみれば「The Theatre of Beer(ビールの劇場)」でしょうか。実にどうでもいいことですけど。

 残念ながら、今回は取材で訪れた一記者なので、もちろん取材が終わるまではビールを我慢。でもスタジアムの中に入って熱狂の渦に包まれると、やっぱりビールを飲みたくなってしまいます……。いやいや、我慢、我慢。

ドルトムントの選手紹介はわざわざ白黒。

 フェルティンス・アレナのスタンドはクラブカラーである青と白で彩られて壮観です。メインスタンドから観て右前方のバックスタンド一角に黄色のユニホームを纏ったドルトムントサポーターが居ますが、いつもより人数が少なく、おとなしめな様子。

 事情通に聞くと、どうやらドルトムントの一部サポーターが問題を起こしてスタジアム入場禁止処分を科せられたみたいで、その影響があったそうです。

 ドイツで最初に建てられたドーム型のスタジアム。開閉式の屋根から四面式のビジョンが吊り下がっていて、そのビジョンでシャルケのスターティングメンバーが発表されるのですが、選手紹介は実物写真ではなく絵画。実に手が込んでいます。

 一方、アウェーのドルトムントは選手リスト一覧が映し出されるだけの手抜きぶりで、しかもモノクロ! カラーではなく、わざわざ白黒にしてしまうところに、ライバルへの強烈な対抗意識を感じます。

【次ページ】 32歳テデスコ監督率いるシャルケが勝利。

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