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本命カブスと嵐を呼ぶ対抗馬。
2017年MLBの全順位を予想する。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2017/04/01 11:30

本命カブスと嵐を呼ぶ対抗馬。2017年MLBの全順位を予想する。<Number Web> photograph by Getty Images

昨年の王者カブスは今年も強い。上原浩治はこのチームの中でどんな役割を演じることになるのだろうか。

最強カブスには上原浩治も加わって万全。

 ジャイアンツは、抑えにマーク・マランソンを獲得した。打線では、ジョー・パニクやハンター・ペンスが故障から復活するはずだ。ナ・リーグ西地区では、総合力にすぐれるドジャースと一騎打ちになる可能性が高いが、もしかするとロッキーズが割って入るかもしれない。ジョン・グレイ、タイラー・チャトウッド、チャド・ベティスといった先発陣さえ安定すれば、ノーラン・アレナドを軸とする打線が強力なだけに侮れない存在となる。

 他の地区では、アダム・イートンを獲得して出塁率が高くなりそうなナショナルズが怖い。イートン+トレイ・ターナーのテーブルセッターが機能し、ブライス・ハーパーが本来の調子を取り戻せば、もうひとつ上を狙える可能性も出てくる。

 最強のカブスは、デクスター・ファウラーの抜けた穴が痛いが、故障から戻ったカイル・シュウォーバーがパワフルな1番打者として機能しそうだ。先発投手は、ジョン・レスターやジェイク・アリエータを筆頭に6枚そろっているし(ブレット・アンダーソンが復帰した)、ブルペンもウェイド・デイヴィス、エクトル・ロンドン、ペドロ・ストロップ、上原浩治と万全の態勢だ。

レッドソックスが連覇すればおよそ100年ぶり。

 一方のア・リーグは、インディアンス、レッドソックス、アストロズの3強に注目したい。昨年、ワールドシリーズでカブスをあと一歩のところまで追いつめたインディアンスは、エドウィン・エンカーナシオンの獲得が大きい。故障の癒えたマイケル・ブラントリーが順調に回復すれば、打線の破壊力は恐るべきものとなる。ただ、昨年後半に相次いで戦線離脱した先発陣のダニー・サラザールやカルロス・カラスコの状態が、どこまで戻っているか。コーリー・クルーバーと並ぶ先発投手が育てば話は別だが、インディアンスの浮沈はこのあたりにかかってくる。

 それに比べると、レッドソックスはクリス・セールを補強して先発3本柱を確立した。リック・ポーセロやデヴィッド・プライスが大崩れするとは思えないし、打線に眼を転じても、天才ムーキー・ベッツやザンダー・ボガーツにはまだまだ伸びしろがある。過去5年間で地区優勝が2度に最下位が3度と波のあるチームだが、もし今季も地区制覇を果たせば、1915~16年以来の連覇となる。

【次ページ】 イチローは今季125本打てば安打数で史上15位に。

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