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相手のフリースローを外させる観客。
Bリーグ栃木ブレックスの熱が凄い。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2016/10/29 11:00

相手のフリースローを外させる観客。Bリーグ栃木ブレックスの熱が凄い。<Number Web> photograph by Getty Images

Bリーグが発表しているツイッターランキングでも、アルバルク東京と栃木ブレックスは1位と2位の人気チームだ。

フリースロー成功率で約1.4倍の差がつく結果に。

 この日は試合前にエキジビジョンゲームとして、栃木県内のミニバスケットボール連盟の子どもたちがコートでミニゲームを行なったこともあり、子どもたちの姿が目立っていた。

 彼ら、彼女らが、満面の笑みを浮かべながら、ブーイングをしたり、地面を踏み鳴らしている。観客が「観る」以外に「参加する」楽しみにあふれている。そして、彼らの楽しみは、相手チームには脅威となる。

 その効果は絶大だ。10月23日の試合の両チームのフリースローの成功率にはかくも大きな差が生まれた。

 栃木ブレックス 87.5%
 アルバルク東京 63%

「“素晴らしいキレイな”メロディーでしたね(笑)」

 試合後にアルバルク東京のヘッドコーチの伊藤拓摩はジョークをはさみながらも、栃木のファンの存在については認めざるを得なかった。

「今年は、去年よりも熱気がすごいです。うちのフリースローの成功率は、先週までは1位だったんですけど……」

「相手チームはすごく嫌なんだろうなと」

 田臥と同じポイントガードで、副キャプテン。地元FM栃木のラジオ番組で毎週木曜日にパーソナリティを務める渡邉裕規。コートのなかだけでなく、コートの外でもチームをけん引する渡邉は、こう話す。

「地鳴りのような応援で、やっていて僕たちは本当に心強かった。本当に、相手チームはすごく嫌なんだろうなとマジマジと感じましたね。フリースローのときのブーイングもすごいですし。

 確かにうちのファンは、マナーよく応援しているというのではないかもしれません(笑)。でも、そこがブレックスのファンの素晴らしいところだと僕は思います。一体感というのは、どこのチームにも負けないはずだと」

【次ページ】 この日の観客動員数は超満員の4035人。

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