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エンゼルスを失脚し、マリナーズに。
監督との抗争に敗れたGM、反撃へ。

posted2015/12/29 11:00

 
エンゼルスを失脚し、マリナーズに。監督との抗争に敗れたGM、反撃へ。<Number Web> photograph by Getty Images

マリナーズ新GMのディポート氏。来季のチーム編成の最優先事項として、シーズン後にFAとなる岩隈久志との再契約を挙げていた。

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 シアトル・マリナーズはもう何年も、彼らに期待するメディアやファンを裏切り続けてきた。

 たとえば2003年。マリナーズは首位アスレチックスと3ゲーム差の西地区2位で、ワイルドカード(当時は1チームのみ)のレッドソックスに2ゲーム差と健闘したが、その翌年は首位から29ゲーム差の最下位に転落してしまった。2007年も首位から6ゲーム差の2位で翌年の躍進が期待されたが、2008年は首位から39ゲーム差の最下位に終わっている。

 2015年も、その裏切りの構図は再現された。

 2014年はワイルドカード2枚目までわずか1ゲームの大健闘。オフの補強もあって期待を膨らませたメディア(私もその一人だ)やファンだったが、2015年は首位から12ゲーム差でまさかの地区4位と、またしても期待外れに終わった。

 そんな風に低迷と健闘を繰り返しながら、マリナーズは、イチローが最優秀新人と最優秀選手賞を同時獲得した2001年に年間116勝というメジャータイ記録でア・リーグ西地区を制して以来、もう14年もプレーオフ進出から遠ざかってきたのである。

MLBでは、不振の責任は編成部門にも及ぶ。

 日本よりもフリーエージェント制度(FA)も年俸調停制度も洗練されており、それらに関連した選手の異動が激しいメジャーリーグでは、成績不振の責任は選手や監督だけではなく、編成部門のトップ=ゼネラル・マネージャー(GM)やPresident of Baseball Operations(編成の最高責任者)にも確実に飛び火する。

 だからマリナーズの編成トップも、責任を取らされてきた。最後にプレーオフに進出した2001年以降の14年間で、マリナーズはGMを4度代えているが、成功の評価を得たのは2000年から2003年まで同職を務めたパット・ギリック(現フィリーズ社長)ぐらいで、2003年から2008年までのビル・バベージや2009年から今季までのジャック・ズレンシックは、いずれもシーズン途中に解雇されている。

 9月に就任した47歳のジェリー・ディポート第9代マリナーズGMも、実は過去に責任を取らされた人物である。ただし、それはマリナーズではなく、同地区のライバル球団エンゼルスでの話であり、その責任の取らされ方も単純な成績不振のためではない。

【次ページ】 「エンゼルスは監督とGMのどちらを選ぶのか?」

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