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松山英樹、開幕戦はいきなり「冒険」。
“いつもの面々”が支える試行錯誤。

posted2015/10/20 10:30

 
松山英樹、開幕戦はいきなり「冒険」。“いつもの面々”が支える試行錯誤。<Number Web> photograph by Sonoko Funakoshi

進藤大典キャディは、東北福祉大ゴルフ部出身で、松山英樹の先輩でもある。

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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Sonoko Funakoshi

 米ツアーは早くも新シーズンが始まった。とはいえ、前週のプレジデンツカップに出場した世界のトッププレーヤーたちの大半は、開幕戦のフライズコム・オープンには出場しない道を選んだ。大急ぎ長距離移動の強行軍で今大会に挑んだのは、わずか4人。松山英樹は、その1人だった。

 韓国から日本経由で米国西海岸のカリフォルニア州ナパバレー入り。松山は「寝れるけど、すぐ目が覚めちゃう」という時差ボケに陥りながらの辛い参戦になった。

 プレジデンツカップでは初日こそパットに苦しんだものの、出番が無かった2日目をはさみ、3日目、4日目は決めどころのパットをポンポン決めてチームに貢献した。その好感触を携えて迎えるはずの開幕戦だったが、蓋を開けてみれば、ショットは相変わらず快調だったものの、パットはカップに嫌われ続け、グリーン上で天を仰ぐことの連続になった。

 初日と2日目は、どちらも2アンダーの「70」で回り、29位で予選を通過。3日目は「69」とさらにスコアを伸ばし、27位へ順位を上げた。

 だが、バーディーチャンスを何度も逃しての「69」に悔しさを露わにしたのは、松山ではなく、進藤大典キャディのほうだった。

「こんなに悔しい69も無いです……」

同組の新人にキャディがかけた激しい言葉。

 首位と7打差で迎えた最終日。松山と同組で回ったのは、今季から米ツアーにデビューした新人、スマイリー・カウフマンという23歳の米国人だった。

 8番グリーン。右奥からの4メートルのラインを読みながら、カウフマンが「ここかな?」と不安そうな顔をしながら、カップ手前の1点をパターのトゥで指し示した。彼のキャディが「イエス、サー! その通り。絶対にそこだ。オレを信じて、そこだけを狙え!」と洗脳でもするかのように言い含めた。カウフマンは頷き、その1点を狙って打ち出すと、ボールは磁石で吸い寄せられるようにカップに沈み、カウフマンとキャディは派手なグータッチで喜び合った。

【次ページ】 松山と進藤キャディの間で確立した「スタイル」。

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