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佳境のユニフォーム商戦。一番人気のプレイヤーは?
~エスパニョール、永遠の「21番」~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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posted2015/08/07 10:30

佳境のユニフォーム商戦。一番人気のプレイヤーは?~エスパニョール、永遠の「21番」~<Number Web> photograph by AFLO

急逝後行われた試合ではサポーターたちがハルケのユニフォームを着て追悼の意を示した。

 夏のオフシーズン、各クラブの販売部の間では、もうひとつの戦いが繰り広げられている。新シーズン開幕前に佳境を迎える、ユニフォーム商戦だ。

 新加入選手がチームに合流し、国内外から観光客も急増する夏は、ユニフォーム売上が最も伸びる時期。スター選手や、新選手の名前と背番号が入ったユニフォームを求める人がショップに列をなす。

 クラブの公式サイトに移籍決定前の選手のユニフォームのテスト画面が早まって流出することもあるが、それも1時間でも早く売り出したいという、販売サイドの思いの表れ。彼らは強化部と連絡を取り移籍の動向を追いながら、ユニフォームやグッズ販売の準備に取り掛かっている。

 クラブが頻繁にユニフォームのデザインを変えるのも、もちろん販売を考えてのことだ。今夏、バルサはクラブ史上初めて横縞のユニフォームを採用した。賛否両論だが新しいものを求めるファンは多く、売れ行きも好調。ピカソ美術館を上回る、年間150万人の入場者数を誇るカンプノウのバルサミュージアムの隣に戦略的に併設された公式ショップでは、新ユニフォームが飛ぶように売れている。売れ筋はメッシ、ネイマール、スアレスの順となっており、ピッチの外でもトリデンテはクラブに多大なる貢献をしているのである。

 選手の移籍により売上1位の選手は定期的に変わるものだが、変わらないクラブもある。

今は亡きハルケの21番が、常に売り上げのトップ。

 バルセロナのもうひとつのクラブ、エスパニョールの売上1位の選手は、もう長いことピッチに立っていない。

 '09年の夏に急性心筋梗塞でこの世を去ったダニ・ハルケは、昨季はユニフォーム総売上の30%を占めた。クラブには毎年新たな選手がやってくるが、この6年間、ハルケは常にユニフォーム売上のトップであり続けている。

 バルサショップとは違い、エスパニョールのそれは規模も小さく数も圧倒的に少ないが、小さな店内では、この夏も21番のユニフォームは売られ続けている。

 それを着てピッチを駆けた主将のことを、ファンはこれからも忘れないだろう。

 そしてハルケはこの世から去った今も、かつて愛したクラブに静かに貢献し続けているのである。

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