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連覇に挑んだ松山英樹の「リスク」と「報酬」。
~ダブルボギー以上に悔んだ一打~ 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byGetty Images

posted2015/06/20 10:30

前回覇者として注目を浴びながらプレーした松山。首位と3打差の5位Tでフィニッシュ。

前回覇者として注目を浴びながらプレーした松山。首位と3打差の5位Tでフィニッシュ。

 ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ米ツアーのメモリアル・トーナメントで、松山英樹は連覇は逃したものの、攻めのゴルフを見せた。

 初日は64で首位スタート。2日目と3日目は71、71と思うようにスコアが伸びず、首位と5打差の5位タイで最終日を迎えた。前半は何度となくバーディパットを逃して、イライラが募っているように見えた。それでも攻めの姿勢を貫いて食い下がり、13番ホールから3連続バーディを奪うなど、一時は首位と1打差まで詰め寄った。

 そして16番ホール、パー3。松山は左サイドをぐるりと囲む池に寄り添うように切ってあるカップに向かって果敢に攻めた……が「風の読みが難しくジャッジミス」で池に入れ、痛恨のダブルボギー。

 ゴルフでは「リスク」と「報酬」という言葉が使われるが、松山の最終日16番の攻めはその言葉通り、リスクを冒してでも報酬を得ようとする意図があった。

 松山のゴルフは見ていて小気味が良い。ミスをすれば痛手になる場面でも、優勝を狙っていくためにリスクを負って挑戦する姿勢が常に感じられるからだ。

もっと悔しいのは17番の第2打、グリーンオーバー。

 米ツアーにおけるディフェンディングチャンピオンは、別格な扱いをされる。特にメジャーやそれに匹敵するこのメモリアル・トーナメントでは、前年覇者である松山の顔が会場内のあちこちにディスプレイされ、セレモニーやパーティなどが催されるケースも多い。

 それだけ注目され、喧騒の中で恥ずかしくないプレーを見せなければならないプレッシャーもあるだろう。

 松山は練習日の日本人記者による囲み取材では「調子が悪い」と連発していたようだ。実際は発言と逆で、決して調子が悪いようには見えなかった。松山はもともと口数も少なく、必要最小限の言葉しか発しないから、その真意は別のところにあるのかもしれない。

 ただ、試合後はよほど悔しかったのか、「16番は攻めた結果。もっと悔しいのは17番の第2打がグリーンオーバーしたこと。勝ちに来ているので勝てなかった悔しさが大きいです」と本音を吐いた。

 果敢なゴルフで諦めずに上質な攻防を繰り返すことが優勝争いのカギだと思う。その姿勢が松山にある限り、2勝目はすぐにやってくるだろう。

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