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「あれは誰だ?」は最高の誉め言葉。
DeNA高城俊人の、別人の如き成長。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/05/14 10:40

「あれは誰だ?」は最高の誉め言葉。DeNA高城俊人の、別人の如き成長。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

昨年オフには「課題は打力です」と明言していた高城。写真右は、“小さな大魔神”としてブレイク中で同い年の山崎康晃。

 現在、首位を走るDeNAを支えているのは若い力だ。

 本塁打と打点トップの筒香嘉智を筆頭に、8年目にして中継ぎの要となりつつある田中健二朗、2年目の関根大気の成長も著しい。そして何より、9試合連続セーブの新人記録を樹立した山崎康晃、ショートのレギュラー獲得に意欲を燃やす倉本寿彦らルーキーの奮闘もチームに活気をもたらしている。

 そして彼もまた、「将来のDeNAを担う存在」として覚醒を望まれるひとりである。

 高城俊人。

 今季4年目の若手捕手は、今、壁を乗り越えつつある。

風向きを計算に入れて三浦大輔を好リード。

 そのきっかけとなったのが、三浦大輔が23年連続勝利記録を達成した5月5日のヤクルト戦になるだろう。

 守備では、横浜スタジアムの特性を生かしたリードで三浦をしっかりアシストした。

 外角中心。そこは、野球では安打される可能性が低い、「原点」と呼ばれるコースでもある。そうは言っても、外角一辺倒で抑えられるほどプロは甘くはないわけだが、高城は意図的にそうしていた。彼はリードの狙いをこのように説明する。

「レフト方向に風が強かったからそうしたんです。今日の三浦さんは両サイドのコース、高さもすごくよかった。外角中心のリードでもいいくらいのコントロールだったんで」

 右打者の長打を警戒した配球。2回に荒木貴裕に失投を痛打されたものの、最終的には三浦、そしてチームに勝利をもたらした。「リードには答えがない」とはよく言われるが、この日の高城のリードが正しかったことは結果が物語っている。

強い追い風に乗った打球はプロ初アーチに。

 ただ、高城のパフォーマンスで際立っていたのは守備ではなく打撃だった。

 0-1とリードされた4回、成瀬善久の真ん中に甘く入ったスライダーに鋭く反応すると、打球はレフトスタンドに吸い込まれていった。

 プロ初アーチは、ディフェンス面での注意が逆に追い風となった一発だった。これは、「打った瞬間、風が強くなったんで『いってくれ!』と思いながら走りました」という本人の言葉にも表れている。

 壁を乗り越えつつある兆候は、初本塁打をマークしたこの一打にあった――。インパクトとしてはそのほうが収まりはいい。しかし、次の6回の第3打席にこそ、高城のレベルアップが垣間見られた。

【次ページ】 本塁打の残像を頭から消した泥臭い勝ち越し打。

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