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<なでしこのキャプテンが語る> 宮間あや 「今日より明日へ、一歩ずつ」 

text by

上野直彦

上野直彦Naohiko Ueno

PROFILE

photograph byTaiji Yamazaki

posted2015/01/14 11:50

史上初めて“王者”として臨む、2015年カナダW杯。
連覇の頂へ辿りつくため、必要なのはさらなる進化だ。
試行錯誤が続いた代表戦、底力の試されたリーグ戦――。
なでしこの主将は、今季をどう戦い抜いたのだろうか。

「もうW杯優勝は、過去のことですから」

 宮間あやはそう言って、メディアからの“連覇”についての質問をかわす。だが、これは彼女の偽らざる本心だろう。

 彼女にとって大切なのは過去ではなく、「今日」。そして「今日」より「明日」だ。彼女にとってW杯や五輪の栄光もすべて過ぎ去ったこと。宮間の今日はどこに位置しているのだろうか。明日はどこに向かっているのだろうか――。

 所属する岡山湯郷ベルは、2014年、大きな躍進をみせた。なでしこリーグではレギュラーシリーズで優勝。クラブ創設以来の初タイトルをもぎ取り、国際女子サッカークラブ選手権(IWCC)の出場権も獲得した。

 そんな好調なクラブのことを語る宮間は、どこか嬉しそうだ。

「主軸が長い間変わっていないのと、新しく入ってきた選手の活躍が要因のひとつですね。自分の色を出せる選手が入ったことで、チームとしてもレベルアップできました」

クラブでのプレーは「全部自分がやる」気持ちで。

――代表でのあり方とクラブでのあり方の違いはどう感じているのでしょう?

「代表に招集されるためには、まず所属チームで活躍して結果を残さないといけないので、ベースはここ、岡山湯郷ベルですね。でも、代表にも思い入れは人一倍強いです。常にみんなから憧れられるチーム、『代表は違うんだ』と思ってもらえるチームであり続けたいと思っています」

――クラブと代表ではメンバーも違うし、プレースタイルや戦術も違います。そのあたりをどうとらえていますか?

「このチームでプレーする場合は『全部自分がやる』と思ってます。全員に自分の色を出してほしいし、チームのカラーが明確に出ると良いな、と。一方で、代表チームの場合は、監督の明確なコンセプトがあり、さらに選手同士で作り上げてきた共通意識もあります。その2つの考えに沿って、プレーを選択する形となっている。そこは少し違いますね」

【次ページ】 前回W杯のような、守備を固めて1点狙いでは厳しい。

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