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韓国にいる“アジア最高の選手”。
エスクデロ競飛王を日本代表へ!  

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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posted2014/11/04 10:40

韓国にいる“アジア最高の選手”。エスクデロ競飛王を日本代表へ! <Number Web> photograph by AFLO

恵まれた体格を生かしてのパワフルなドリブルや高いボールキープの技術など、そのスタイルは日本代表でも十分通用するレベルにある。

アルゼンチン生まれ、日本国籍の男がなぜ韓国に?

 スペイン生まれでアルゼンチン出身の26歳。中学校時代から長く日本で暮らしたセルヒオは、浦和レッズ時代の'07年6月に日本国籍を取得し、アンダー世代の代表としても5試合プレーした経験がある。

 セルヒオと日本との縁は幼少時代に遡る。'92年~'93年まで父がプレーヤーとして浦和レッズに在籍。その後、一家が日本での生活を望みセルヒオも12歳(2000年)で日本に移住した。浦和レッズにはジュニア、ユース時代から所属し、'05年に16歳でトップ昇格。順調なキャリアを歩むかに見えたが、2012年にはトップチーム在籍8年目にして出場機会を得られない状態に陥った。

 J1下位クラブやFCポルト(ポルトガル)のセカンドチームなどから誘いもあったが、未知のソウルを新天地に選んだ。チェ・ヨンス監督からの「とにかく来て、プレーしてほしい」という日本語での誘いに強く心を動かされたのだった。アルゼンチン出身で18歳にして日本国籍を獲得したセルヒオと韓国との縁はこの時に始まる。

日本と韓国では、フィジカルコンタクトの強さが違う。

 2年半というソウルでの時間を過ごし、ACLでJリーグのクラブと対戦したりする中で、強く感じることがあるという。日本人選手の「個」の感覚についてだ。

 今年5月、川崎フロンターレと対戦した決勝トーナメント1回戦ではこんな出来事もあった。

「ソウルでの試合のあと、日本の中継映像を見たんです。僕が前半9分にゴールを決めたシーンについて、実況や解説の方が『川崎DFにかなり強くシャツを引っ張られながらも、反転してゴールを決めてますね』という内容を話している。僕、あまり引っ張られた記憶がないんですよね。韓国では当たり前のことですから」

 今季のKリーグでは、主に1トップとして出場を続けている。相手DFを背負ってプレーすると、試合後には必ず5~6カ所が痛む。日本ではなかった感覚だ。韓国のDFは、絶対に自分が止める、とばかりに強く体を当ててくるのだ。

【次ページ】 結果のすべてに「個」として責任を負う。

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エスクデロ・セルヒオ
FCソウル

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