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復帰登板で見事に勝利。岩隈を支える自信と意地。
~田中将大の存在に刺激されて~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2014/05/20 10:00

復帰登板で見事に勝利。岩隈を支える自信と意地。~田中将大の存在に刺激されて~<Number Web> photograph by AFLO

メジャー移籍後、先発での通算防御率は2.72。首脳陣からの信頼も厚い。

 右手中指の負傷で出遅れていたマリナーズの岩隈久志が、初先発した5月3日のアストロズ戦で今季初勝利を挙げた。7回途中まで4失点ながら、要した球数はわずか81球。快調なテンポでアウトを重ねる投球は、開幕から1カ月遅れたブランクを感じさせなかった。

「やっと戻ってこられた、という気持ち。すごくホッとしています」

 今年1月の自主トレ中、右手中指を痛めた。その後、キャンプインしても痛みが引かず、投球練習を完全休止。オープン戦開始後もノースローで治療に専念した。ただ、「1日でも早く投げたい」と話す一方で、焦りはなかった。メジャー2年目の昨季は、開幕から先発ローテーションを守り、33試合で14勝6敗、219回3分の2を投げ、防御率2.66と抜群の成績を残している。サイ・ヤング賞の投票ではシャーザー、ダルビッシュに次ぐ3位に入り、リーグ屈指の投手としての地位を確固たるものにした。体調さえ整えば、結果は付いてくる。過去2年間で得た経験が、確かな自信として、負傷の岩隈を支えたのである。

「同じ舞台に立って、投げ合える日が早く来たらいいな」

 メジャー3年目の今季、マリナーズは得点源のカノ、抑えのロドニーと主軸選手を補強し、プレーオフ進出へ本腰を入れた。無論、先発2番手の岩隈への期待は昨年以上に高いが、発奮材料はそれだけではない。楽天時代の同僚で、鳴り物入りでヤンキース入りした田中将大の存在が、新たな刺激となったことを、岩隈は否定しない。4月末、ニューヨーク遠征の際には、約1年半ぶりに再会し、互いに近況を語り合った。

「懐かしいですね。やはり同じ舞台に立って、投げ合える日が早く来たらいいなと思いました」

 田中が超大型契約を結ぶことができた背景に、岩隈をはじめ、ダルビッシュ、黒田らトップレベルの成績を残した日本人先発陣への信頼感があったことは、メジャー関係者のだれもが認めるところだ。だからこそ、先輩としての意地もある。

「メジャーのマウンドやゲームにも慣れたような、そういう風に見ています。不安もなく、いい投球をしているなと思っています」

 田中の印象を語る岩隈の口調や表情は、いつものように穏やかでも、その眼光は、ひと際、鋭かった。

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