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連勝の先に伸びしろあり。
新生・湘南に感じる可能性。
~降格してもブレない“果敢さ”~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2014/03/29 10:00

連勝の先に伸びしろあり。新生・湘南に感じる可能性。~降格してもブレない“果敢さ”~<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

前半、ウェリントンが先制点。64分にFW大槻周平が追加点を上げ永木は飛びついて喜んだ。

 3月を迎え、今季Jリーグが開幕。J2では湘南が唯一の開幕4連勝と、1年でのJ1復帰を目指すクラブが好スタートを切った。

 昨季J1の厚い壁にはね返され、J2降格の憂き目に遭ってもなお、湘南の目指すサッカーが揺らぐことはなかった。その一貫した姿勢を感じられたのが、2-0で勝利した第3節札幌戦である。

 この試合、率直に言って、両チームともミスが多かった。技術的な部分に目を向ければ締まらない試合である。にもかかわらず、試合後のコメントは財前恵一・札幌監督の「攻撃は何もできなかった」に対し、チョウ・キジェ湘南監督は「選手が自分たちのよさを出してくれた」。この差はどこから生まれたのか。

 最大の要因は、ミスをカバーできたか否か。ミスで失ったボールをチーム全体で、しかも高い位置で奪い返すという点において、湘南は札幌を凌駕していた。キャプテンの永木亮太が控え目に、それでいてどこか誇らしげに語る。

「攻守の切り替えを速くしないとうちの良さは出ないし、たくさん走らないと結果はついてこない。今日はミスが多かったけど、すぐに切り替えて奪い返せた」

 実に湘南らしい試合だったと思う。

主力が抜けたからこそ、上積みしていける可能性がある。

 昨季のJ1開幕前、私はあるサッカー誌の順位予想で湘南を8位に推した。常に高い位置で攻守しようとするアグレッシブなスタイルは、ハマれば大躍進もあると見ていたからだ。果たして結末はご存じの通り。しかし、内容的には決して失望するようなものではなかった。

 今季の湘南は昨季までの主力がJ1クラブへと移籍し、顔ぶれは様変わり。単純に個の力だけを比較すれば戦力ダウンかもしれない。戦術浸透も道半ばで、攻撃へ移ったときのスピード感には正直、物足りなさも感じた。

 実際、「選手が入れ替わって、(目指すサッカーを)同じ方向に合わせるのは難しい」と永木。だが裏を返せば、それは4連勝の先に、まだ伸びしろが残されているということでもある。“湘南スタイル”を知り尽くすキャプテンは「まだ甘いところはあるが、互いの意見をぶつけ合って上積みしていければいい」と話す。

 新生・湘南のブレない姿勢に触れ、あらためて昨季の順位予想も自分の見立てに間違いはなかったと思っている。

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