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レアルの大勝が露わにした、
スペインとドイツの「差」。
~“サポーターの質”を考える~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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posted2014/03/17 10:00

レアルの大勝が露わにした、スペインとドイツの「差」。~“サポーターの質”を考える~<Number Web> photograph by Getty Images

試合ではC・ロナウド、ベイル、ベンゼマがそれぞれ2得点と完勝をおさめたものの……。

 欧州チャンピオンズリーグベスト16第1戦で、レアル・マドリーはシャルケを1-6で破る大勝を収めた。6得点のインパクトは大きかったが、もうひとつスペイン人を驚かせたのが、試合が終わるまでチームに声援を送り続けた、シャルケのサポーターである。

 スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』が「スペインはドイツを鑑(かがみ)にして見習うべき」とするなど、多くのメディアがその態度を賞賛している。

 昨季までレアル・マドリーを率いたジョゼ・モウリーニョはサンティアゴ・ベルナベウの観客について「静かすぎる」と批判していた。彼が言うように、スペインのスタジアムは英国やドイツと比べると静かで、スポーツというよりも演劇を鑑賞しているような空気が漂っている。

 応援の連帯感も、結果に関係なくチームを後押ししようとする姿勢も希薄だ。勝っている時は声をあげるが、負け試合は批判ばかりが浴びせられる。だからこそ6失点をしても声援を続けるシャルケサポーターの姿はスペイン人の目には信じられなかったのだろう。

サポーター同士が本拠地ベルナベウで敵対するあり様。

 もっと熱狂的な応援を――。スペインの多くのクラブがそんな目標を掲げているが、結果は乏しい。レアル・マドリーは「ゴール真裏のエリアのサポーターは3試合連続で欠席すれば年間パスを剥奪」という規則を設け密度を保とうとしたが、早速サポーターの反発にあっている。

 スタジアムに一体感を作るため、何かと問題を生む過激派ウルトラスの排除にも取り組もうとした。昨年末、フロレンティーノ・ペレス会長は過激派の『ウルトラス・スール』をゴール裏から一斉排除し、代わりに『ラ・クラシカ』など穏健派のグループを置く強硬策をとった。しかし別エリアで応援するようになった『ウルトラス・スール』とスタジアム内で衝突を起こすなど、一体感どころかホームでサポーター同士が敵対するあり様だ。

 ドイツでは立ち見や酒類が容認されているなど、スペインよりもスタジアム内の規制は緩いにも関わらず、サポーター間の問題はリーガよりも少ない。

 敵地での6得点を誇るのではなく、6失点をしながらも声援をやめなかったシャルケサポーターから何かを学ぶ姿勢を持たなければ、いつかピッチ内にも影響を及ぼすようになるかもしれない。

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