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カノが電撃移籍を決断。
シアトルの救世主となるか。
~なぜヤンキースを離れたのか?~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

PROFILE

photograph byAFLO

posted2013/12/28 08:00

ドミニカ出身のカノは5年連続で25本塁打以上をマーク。メジャー屈指の強打の二塁手だ。

ドミニカ出身のカノは5年連続で25本塁打以上をマーク。メジャー屈指の強打の二塁手だ。

 今オフのFA(フリーエージェント)市場で、最大の目玉と言われたロビンソン・カノ内野手が12月12日、マリナーズと正式契約を交わした。10年総額2億4000万ドル(約240億円)の大型契約は、年俸抑制の傾向がある米球界で大きな反響を呼んだ。新本拠地となるセーフコ・フィールドで行なわれた会見で、カノは満面の笑みを浮かべながら抱負を口にした。

「今、僕がどんなにハッピーなのか、言い表せない。契約の内容でなく、マリナーズの組織が僕を受け入れてくれたことに対してだ」

 '13年まで5年連続で打率3割をマークしたカノは、ヤンキース再建に欠かせない主軸の1人とあって、大方の予想では残留するものと見られていた。実際、'13年限りで引退したマリアーノ・リベラが公の場で慰留するなど、ジーターの後継リーダーとして期待する声も多かった。ところが、古巣が提示した条件は、カノが納得できるものではなかった。7年175億円の長期契約を提示されたが、金銭面以上に、心が満たされなかった。

「残ってほしいという感じがしなかった。ノーと言わざるを得なかったし、敬意を感じられなかった」

負けグセのついたマリナーズにとって、改革の象徴に。

 その一方で、マリナーズはエースのフェリックス・ヘルナンデスが、電話でチーム事情などを説明。盟主との争奪戦に決着を付けた。

 '01年を最後にプレーオフから遠ざかるマリナーズにとって、カノ獲得は、チーム改革の象徴としての意味も込められている。'12年7月にイチローが移籍して以来、大幅な若返りを図ったものの、チーム内に染みこんだ負けグセは消えていない。ヘルナンデス、岩隈久志とリーグ屈指の先発陣を持ちながら、慢性的な得点力不足は解消されておらず、'13年も地区4位と低迷した。長年、リーダー不足に悩まされた地方球団にとって、カノは強烈なインパクトを持つ、必要不可欠なパズルのピースだった。

 今オフのマリナーズは、過去28年間、経営トップを務めたアームストロング社長が引退するのをはじめ、フロント内での人事刷新にも着手した。現場と経営の両面で推進する改革が、どんな結果につながるのか。来季、もっとも注目されるチームであることは間違いない。

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