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ネイマール獲得では埋まらない!?
バルサのチアゴ流出はあまりに痛手。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byGetty Images

posted2013/07/25 10:31

ネイマール獲得では埋まらない!?バルサのチアゴ流出はあまりに痛手。<Number Web> photograph by Getty Images

イタリア生まれのチアゴの両親はブラジル人。父は1994年アメリカW杯優勝メンバーのマジーニョ。

 リーガ王座を奪還し、次なる目標「4度目のCL制覇」に向けネイマールという超強力なフォワードを獲得したバルサだが、一方でチームの未来にとって重要な選手を失っている。

 バイエルンへ移籍したチアゴ・アルカンタラのことだ。

 チアゴに対するバルサの評価は決して低くはなかった。'11年夏に契約を延長した際、違約金を1000万ユーロ(約13億円)から9000万ユーロ(約120億円)まで上げたことからもわかるだろう。

 だが、このときチアゴ側の求めにより設定した次の条件が、今回の移籍に繋がってしまった。

――シーズン終了時の出場試合数が、コンディション的に出場可能な試合の60%に満たない場合(30分以上のプレイで『出場』)、一定期間、違約金を1800万ユーロ(約23億円)とする。

 '11-'12シーズン、チアゴは出場可能な試合の63%に出場した。ところが昨シーズンは47%でしかなかった。

U-21欧州選手権MVPながら、移籍金が8割引に。

 ビラノバ前監督は条件のことを知らず、クラブもあえて伝えなかったというが、伝えたところで結果は同じだったかもしれない。ビラノバはメンバーを固定してチームのパフォーマンスを安定させ、タイトルの奪回を確実にしようとしていたからだ。

 とにもかくにも、後のU-21欧州選手権でMVPに選出される選手の値段は8割引となった。ビッグクラブは色めき立ち、マドリーやマンチェスター・ユナイテッド、シティ、トッテナム、リバプールなどが獲得の意志を示した。

 他方、チアゴ自身もシーズンが終わる前から移籍を考えていた。

 イタリアで生まれ、スペイン代表のユニフォームを着る彼だが、両親の母国ブラジルで来年行なわれるワールドカップにはなんとしても出たい。そのためには所属クラブで継続的にプレイし、A代表に再招集される必要があるが、シャビ、イニエスタ、ブスケッツ、セスクが並び立つバルサでレギュラーポジションを得るのは至難の業。事実、来季のプランについて確認したところ、ビラノバの答は「試合には出すが、それ以上は約束できない」だった。

【次ページ】 チアゴと父を自ら口説き落としたグアルディオラ。

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