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宝塚で崩れた4強の構図。
どうなる秋の欧州戦線。
~春競馬の大一番で起きた変化~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byYuji Takahashi

posted2013/07/23 06:00

宝塚で崩れた4強の構図。どうなる秋の欧州戦線。~春競馬の大一番で起きた変化~<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

 春の天皇賞では、単勝130円という断然人気に応えられなかったゴールドシップ(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)。誰も真似ができない超ロングスパートがこの馬の武器だが、あの日はなぜか内田博幸騎手のゴーサインにまったく反応してくれなかったらしい。

 2着に健闘したトーセンラーに騎乗していた武豊騎手が教えてくれた。

「当然、こっちは後ろのゴールドシップの動き出しを警戒して乗っているわけです。でも、道中から人馬がどこかしっくりいっていない雰囲気を感じるんです。3コーナーでは後ろから内田騎手の大声が聞こえる。手を動かしても反応がないので、声で気合いをつけているんですが、それでも上がってくる気配がありませんでした。相手はあの馬ではない、と、あの時点でみんな気がついたはずです」

ゴールドシップ快勝の一方で、ジェンティルとフェノーメノは……。

 雪辱の舞台として陣営が選択したのは宝塚記念(6月23日、阪神芝2200m、GI)。内田騎手は1週前から栗東に泊り込み、追い切り以外のキャンター調教にも騎乗して、ゴールドシップとの関係強化を図った。相棒との“不仲”を解消することが唯一最大の課題と思ったからに違いない。その結果が、後続に3馬身半という決定的な差をつける快勝。スタートから手綱を押して前のポジションを取りに行く積極的な騎乗に出られたのも人馬の信頼関係が高まったからこそ。きつそうに見えるところからでもバテずに最後まで伸び切るという、ゴールドシップの長所を最大限に発揮した形で見事に実を結んだ。

 ヒーローインタビューでは「馬は生き物ですから」のフレーズを連発して、ゴールドシップの気持ちを勝負に向けさせることができた喜びを会心の笑顔で表現した内田騎手だった。

 一方、ショックを隠せない敗者もいた。凱旋門賞への壮行レースとすべく、ファンも1番人気に支持したジェンティルドンナ(牝4歳、栗東・石坂正厩舎)は、緩い馬場を鞍上が意識したのか、先行策に出たのが結果は裏目に。石坂調教師は苦虫を噛み潰した表情のまま、「秋の予定は白紙」とした。直前に運動誘発性肺出血で回避したオルフェーヴルは凱旋門賞への参戦を決めた一方で、ジェンティルドンナ陣営は最終的に海外遠征を見送った。

 春天を制したフェノーメノも、あっさり逆転を許して完敗の4着。いわゆる“3強”とは水が開いた印象を与えた。

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