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からみ合うマシン特性。
本命なきレースは続く。
~超高速F1イタリアGPを占う~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2010/09/10 06:00

からみ合うマシン特性。本命なきレースは続く。~超高速F1イタリアGPを占う~<Number Web> photograph by Getty Images

チームオーダーの嫌疑が長く尾を引いていたが、母国GPで巻き返しを図りたいフェラーリ

 接近した展開のまま、いよいよ終盤戦である。9月12日にヨーロッパラウンド最後となる第14戦イタリアGP(モンツァ)、その後はアジア遠征となり、26日に第15戦シンガポールGPが待ち構えている。超高速戦から公道ナイトレースと続く9月は、チーム、マシン、エンジン、ドライバーの適応能力が問われる興味深い2戦になる。

 M・ウェバー、L・ハミルトン、S・ベッテル、J・バトン、F・アロンソの5人が拮抗した状況のまま夏は過ぎた。初秋に行なわれるおなじみモンツァは1922年にできたクラシックコースである。昨年は最高速345km/h、エンジン全開率70%以上という最もタフなハイスピードバトルが見られた。

 ここではライバルに対抗できるトップスピードをキープすることが第一で、必然的にレスダウンフォース仕様となるが、あまり削りすぎるとコーナーで抑えが利かず、タイヤの消耗に歯止めがかからなくなる。また、300km/hから100km/h以下まで急減速する“ビッグブレーキングポイント”が4カ所もあり、そこでマシンが振られるとドライバーはコントロールを失いやすい。

終盤戦の行方を左右するエンジンの“やりくり”。

 全長5.793kmでコーナー数は11と少ないが、その“平均旋回角度”が80度と意外にきついのが特徴で、シケインでのクイックターンが多い。また、他のコースに比べて長いコーナリングも少ない。これらの特性を考慮すると、レッドブルは抜群の高速コーナリング性能を発揮できる部分が減り、ストレートスピードで優るマクラーレンが強みを生かしやすく、フェラーリは両者の中間レベルという三角関係になる。

 エンジンも重要な要素だ。推定760馬力の最強メルセデスに対し、フェラーリとルノーは20馬力劣るとされ、2戦目、3戦目となるとパワーの落ち幅が大きくなる。したがってフェラーリとレッドブルはモンツァにフレッシュエンジンを投入し、次のシンガポールには“中古”で臨むローテーションを組むと思われる。年間8基のエンジン制限があり、終盤にきてそのやりくりが非常に難しい。

 コース特性が次々と変わるシリーズ終盤に固めて連勝できるとは考えがたく、いまだ本命を絞り込むことができない。こんな年はめずらしい。

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