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『BORN TO RUN』の“走る民”を救え!
募金を求めて山手線一周ラン体験記。 

text by

松山貴史

松山貴史Takashi Matsuyama

PROFILE

photograph byMiki Fukano

posted2013/02/16 08:00

『BORN TO RUN』の“走る民”を救え!募金を求めて山手線一周ラン体験記。<Number Web> photograph by Miki Fukano

節分にちなみ、鬼の扮装で山手線沿いをひた走る松山貴史くん(大学4年生)。胸にかかる襷には、「タラウマラのために 豆を下さい」の文字。

干ばつに苦しむ「走る民族」を救うべく、一人の大学生が立ちあがった。
過酷なサハラマラソンを完走した“挑戦中毒”のランナーは、
2月3日節分の日、募金箱代わりのペットボトルを片手に、
山手線一周のランに出かけたが……。

 トライアスロンやトレイルランニングのレースに出ていて思うことは、年配の参加者の割合が高いこと。これは常々不思議でならなかった。

 例えば、24歳でピチピチの学生に70歳のおじいちゃんが勝てるスポーツが他にあるだろうか?

 ボクシング? バスケット? サッカー? よほどのことがなければ接戦にもならないだろう。

 そんな疑問を解消してくれた1冊の本がある。『BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”~』(クリストファー・マクドゥーガル・著/NHK出版)だ。

「人間は年を取るから走るのをやめるわけではない、走るのをやめるから年をとるのだ……」

 こんな刺激的で、逆説的な提言は聞いたことがなかった。我々の体は走るように設計されていて、「走る」ことを愛することによって、色々な問題を解決できるとまで言ってくれた本だ。

 いま、この本に登場し、“最強の走る民族”と言われるタラウマラの人々が苦しんでいる。

節分の日、鬼のコスプレで山手線一周ランすることになった理由。

 彼らが住むメキシコの奥地“銅峡谷”コッパーキャニオンは、ここ数年、大干ばつに襲われ、主食であるトウモロコシが育たないなど、生活は困窮を極めているというニュースが毎年のように届いている。そんな現状に対して、彼らの生きる姿勢や「走る」ことに対する純粋な気持ちに影響を受けた日本のランナーたちが立ち上がり、2月3日に「ララムリ祭り」という支援イベントを行なうことになった(「ララムリ」とは「走る民」という意味で、タラウマラの人々は自らをこう呼ぶ)。

 そこで僕は、2月3日の節分にちなんで、「鬼」のコスプレをして山手線を一周することになった。わけがわからないかもしれないが、鬼になった僕を干ばつに見立て、豆で退治してもらおうというコンセプト。同時に募金の呼びかけもするのだ(詳しくは、イベント告知コラム「『BORN TO RUN』の“走る民”を救え!2月3日、山手線一周ランしませんか?」を参照)。

 ネットで青鬼の衣装を取り寄せ(赤鬼は売り切れ)、ペットボトルを切って即席の募金箱をつくるなど準備は進めたものの、賛同者がいるかわからず、企画については不安ばかりだったが、「とにかくやってみよう」の精神で当日を迎える。

【次ページ】 スタート地点の新宿駅で早くも募金に感謝!

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