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フル代表に行くヤングなでしこは誰?
宮間も驚いた、恐るべきポテンシャル。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byToshiya Kondo
posted2012/09/10 11:25
3位入賞を果たしたにもかかわらず満足していないという猶本(前列中央)。「悔しかった。金メダルが良かったです。アメリカが喜んでるのを見て悔しくなりました」
「世界のトップレベルでやるために必要なことを体感」
猶本は、ボールを保持できなかった理由をこう分析している。
「大会で成長したと感じたのは、DFラインからボールを受けてパスを供給すること。今まではスペースを探して受けていたけど、余裕を持てるようになったので。でもそれが出来ていたのは韓国戦までだった。レベルが上がったらできなかった」
とはいえ田中陽しかり、猶本しかり……若い彼女たちが本当に多くのものをこの大会で吸収していったのも事実である。
吉田弘監督は「準決勝と3位決定戦でフィジカルの強い相手と戦えて、世界のトップレベルでやるために必要なことを体感できたことが非常に大きい」と言い、近いうちになでしこジャパンへと昇格していきそうな候補選手として「柴田、猶本、土光」の名を真っ先に挙げた。
選手育成を最優先した上で、3位という好成績も残した吉田弘監督。
16歳でヤングなでしこ最年少の土光真代(日テレ・ベレーザ)は、身長163cmのセンターバック。
6試合すべてに先発フル出場した3選手(GK池田咲紀子、土光、猶本)の1人で、相手に前線からプレスを掛けられても動じることなく、冷静なボール処理からしっかりつないでいたのが印象的だった。
「ナイジェリア戦ではドイツ戦の反省を生かして、押し込まれても慌てずにプレーできた。ドイツ戦では耐えられなかったけど、今回は耐えることができた」と土光は胸を張る。
吉田弘監督は「なでしこジャパンで世界一になるための選手育成」という立ち位置で、個の力を伸張させることに成功し、加えて3位という結果も残したのだ。