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五輪GLの難敵モロッコは、
日本の「苦手なタイプ」。
~Jを知る敵将が明かす“厄介さ”~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byAFLO

posted2012/07/04 06:00

五輪GLの難敵モロッコは、日本の「苦手なタイプ」。~Jを知る敵将が明かす“厄介さ”~<Number Web> photograph by AFLO

技術とパワープレーを併せ持つアフリカの中堅国、モロッコ。決して侮れる相手ではない。

 5月に行なわれたトゥーロン国際大会では、日本と同時に、モロッコの戦いぶりにも注目して見ていた。

 それは単に、ロンドン五輪で日本がモロッコと対戦するから、というだけではない。日本がロンドン五輪で同組となった3カ国の力関係は、恐らく上から順に、スペイン、モロッコ、ホンジュラス。つまり、日本が上位2カ国に入るためには、ホンジュラスに勝つだけでは足りず、モロッコから勝ち点を奪うことが、グループリーグ突破のカギとなるからだ。

 結論から言えば、モロッコは「日本が苦手なタイプ」に属する。それが、モロッコの全3試合を取材した印象である。

 というのも、全体的に体格のいい選手が多く、しかも長身というだけでなく体に厚みがある選手が多いのだ。当然、当たりは激しく、球際の争いにも強い。日本がこの大会で、同タイプのトルコ、エジプトに敗れていることから考えても、決して相性はよくないだろう。

9人になっても2点差を追いつく。ピム監督が認めた粘り。

 また、かつて大宮などのJクラブでも指揮を執り、現在、U-23モロッコ代表監督を務めるピム・ファーベークが、「彼らは肉体的にも精神的にも強く、最後まであきらめない」と話すように、驚異的な粘りもモロッコの特徴である。

 実際、1試合目のメキシコ戦では、3度リードされても3度追いつき、3試合目のフランス戦では、0-2とリードされ、しかもふたりの退場者を出しながら同点に追いついている。

 成績だけを見れば、モロッコもまた、2分け1敗で決勝トーナメント進出はならなかった。4-2-3-1の布陣において、2列目が充実している一方で、1トップの人材が乏しいこと。あるいは守備のバランスが悪く、失点が多かったこと。結果ばかりでなく、そうした課題でもモロッコは日本と共通した。

 だが、技術、戦術の部分では互角、もしくは日本が上だとしても、もっと本質的な部分、すなわち「戦う」という点では、明らかに日本が劣っていた。しかも、敵将ピムは「戦術的にももっとよくなる。いい準備をして五輪へ向かいたい」と、さらなる上積みに自信を見せる。

 モロッコを「強い」と表現するのは、必ずしも適当でないとは思う。しかし、日本にとって相当に厄介な相手であることだけは間違いない。

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