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松井秀喜だけではない。
メジャーは“DH冬の時代”。
~“ベテランの大砲”が生きる道~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byGetty Images

posted2012/05/25 06:01

松井秀喜だけではない。メジャーは“DH冬の時代”。~“ベテランの大砲”が生きる道~<Number Web> photograph by Getty Images

38歳の大ベテラン、デイモンは推定年俸125万ドルの1年契約でインディアンス入りした。

 所属先が決まらなかった松井秀喜が5月1日、レイズとマイナー契約を結んだ。

 メジャー18年目のジョニー・デイモンがインディアンスに入団したのはその2週間前。通算449本塁打の強打者ブラディミール・ゲレロがブルージェイズと契約したのは5月10日。今季は実績のあるベテランのFA選手が、キャンプにも参加できず、開幕をグラウンドで迎えられなかった。そのいずれもが過去数年、指名打者(DH)としてプレーしてきたことは、決して偶然ではない。

 1973年、ア・リーグで導入されたDHは、守備に難点があっても、パワフルな打撃力を持つ選手を生かす制度として定着した。'04年からはシーズンでもっとも活躍したDHの選手に対し、かつてマリナーズで活躍したエドガー・マルチネスの名前を付けた賞も設定された。

 ところが、近年はDHの使い方に変化が見え始めた。レイズのアンドリュー・フリードマンGMは、オフ期間のDH市場停滞の背景を冷静に分析する。

「最近は、レギュラーの野手をローテーションで休ませる意味でDHに起用するチームが多くなったことも、市場が停滞した理由のひとつだろう」

来季は、シーズンを通して守れる選手のニーズが高くなる?

 実際、ア・リーグ14球団でDHが固定されているのは、オルティス(レッドソックス)、ハフナー(インディアンス)ら、半数にも満たない。ヤンキースではロドリゲス、ジーターら複数のベテラン野手が随時、DHで出場するなど、フレキシブルに使うチームは、着実に増えてきた。

 DHが使えないインターリーグ(交流戦)のナ・リーグ主催試合では、攻撃力低下が原因で星を落とすことが少なくなく、打つだけで守れない選手のマイナス面を指摘する声も聞かれるようになった。しかも、アストロズがア・リーグに移り、両リーグが15球団ずつとなる来季からは、毎日1試合は交流戦が行なわれることになり、シーズンを通して守れる選手のニーズが高くなると言われている。

 これまでは、守備力に陰りの見え始めたベテランの大砲が、晩年の数年間、DHに職場を求めることも多かったが、それも簡単な時代ではなくなった。オフ期間以降、松井が熱心に守備練習をこなしてきたのも、DH事情の変化と無関係ではない。

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