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今から夏が楽しみな
センバツの好投手たち。
~大阪桐蔭・藤浪を超える逸材は?~ 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2012/04/27 06:00

史上最長身優勝投手となった大阪桐蔭の藤浪は、全試合で150km台を記録。

史上最長身優勝投手となった大阪桐蔭の藤浪は、全試合で150km台を記録。

 4月4日に幕を下ろした選抜高校野球大会を盛り上げたのは好投手たちだった。チームを優勝に導いた「なにわのダルビッシュ」こと藤浪晋太郎(大阪桐蔭)をはじめ、濱田達郎(愛工大名電)、柳裕也(横浜)、中村祐太(関東一2年)、大谷翔平(花巻東)と逸材たちが並ぶ。

 春から夏にかけて行なわれる地区大会や都道府県大会を経て、彼らがどのように本格化していくのか。好投手が多い今年はとりわけ、投手の動向に期待が高まるのである。

 藤浪は投げるごとによくなった。毎試合150kmを計測する安定感に加えて、変化球が素晴らしかった。120km前後のスライダーに130km台後半のカットボールを組み合わせ、これにフォークボールを交える。

 投球間隔は捕手の返球を受け取ってからモーションを起こすまで4~5秒という速さで、打者にまったく的を絞らせない。MAX153kmを計測した速さばかり注目されるが、打者を打ち取るノウハウがしっかり頭の中で整理されているところが、最大の魅力と言っていいだろう。

 まだ197cmというその体格をもてあまし、動きにギクシャクしたところもあるので、体の使い方を覚えればさらに伸びしろがあるはずだ。

花巻東・大谷はなぜ実力を発揮できなかったのか?

 大会前、藤浪を上回る評価を得ていた大谷は、昨年8月以来のマウンドというブランクが響いた。「経験不足」「ガス欠」という言葉で1回戦敗退を総括されがちだが、投球フォームを見ると、テークバックを小さくまとめようとしすぎ、マウンド上で縮こまっている印象が残った。

 腕を押し出してリリースするのでなく、奔放に腕を振ってボールにスピンをかけるような意識があれば、また違った結果になったはず。夏はマウンド上で躍動する新スタイルの大谷を見てみたい。

 大谷に注文したピッチングを実践したのが中村だ。得点圏に走者を背負った場面で投げたのはほとんどストレート。球速はリリーフした準決勝の光星学院戦こそ141kmを計測したが、準々決勝までは139km止まり。しかしそれを打者が打てない。

 通算24奪三振(奪三振率7.2)の内訳はストレート20、変化球4とストレート勝負が目立ち、このうち空振り15、見逃し5と、力で圧倒しているのがわかる。

 打者は「手元でボールが伸びるようだった」と声を揃え、実際に空振りを量産した。変化球全盛の現代にあってストレートがいかに打者の脅威になるか、中村はこの大会で実証したと言っていいだろう。

<次ページへ続く>

【次ページ】 センバツ不出場の注目すべき投手たち。

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