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<マラソン特別講義> 石原良純 「大会前に400kmを走りこむ男」 

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph byAsami Enomoto

posted2012/04/20 06:00

<マラソン特別講義> 石原良純 「大会前に400kmを走りこむ男」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

間違ってもカッコつけてペースを上げないこと。

 よく「練習する時間がない」という人がいるけれど、これも工夫次第。僕は仕事帰りにちょこっとヒマを見つけて走ることが多いです。だいたいテレビ局から自宅までの距離を把握していて、フジテレビからだと13km、日テレからは12km、テレ朝からは8kmくらい。自分でiPadを見て、大通りに平行して走る路地なんかを探します。冬は寒いし、暗いけれど、けなげに頑張っている自分を「エライなぁ」と思ったりしてさ(笑)。ようは自己満足の世界だから。

 練習時間を含めてムダな時間を過ごしたなあと思うのだけれど、じゃあもっと時間を有効に使いたいのかといっても、別にやることは無い。

 意味のない疲れとか、意味のない苦しさ、それにどっぷりひたれるのがフルマラソンでしょう。

 大会後2、3日経って、足の痛みが取れてくるとまた走っても良いかなと思える。最近はマラソン大会が試験のように思えて、良い点とるために頑張っているところがあるよね。僕はわりと赤点(失敗)が少ないんだけれど、それは用心深いから。手綱を引っ張るようにゆっくり、1km6分のペースを刻んでいくのが石原流です。間違ってもカッコつけてペースを上げないこと。自分が思うほど誰も注目してないし、賞賛を求めてはいけないんです。終わってただ「酒飲みてえな」と思えることが幸せなんだから。

【成功の秘訣】
究極の無駄を楽しむのがランニングだと思え。

【失敗の教訓】
自分の決めたペース配分を守らないと失敗する。

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石原良純

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