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スズメとツーキニストは越冬準備を!
「防寒」ではなく「臨機応変」が肝要。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2011/11/22 06:00

スズメとツーキニストは越冬準備を!「防寒」ではなく「臨機応変」が肝要。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

あるツーキニストの冬の風景(於:オシャレな六本木)。ダンディな黒のジャケットがなかなか渋く決まってますね。大きめのLEDテールランプが、日の入りが早い冬の夜にも大いに役立っております

 春に生まれた子スズメたちのことだ。

 飛ぶのもうまくなったし、エサも拾えるようになった。身体がちょっと小振りかなという以外は、大人のスズメたちともう区別がつかない。

 その子スズメたちが、これから厳しい冬に突入する。

 今年生まれた子スズメのうち、来年春に生き残るのは、わずか7羽に1羽なのだそうだ。多くの場合、6羽は凍死するか餓死する。厳しい話だね。だから、私はこの季節になると、スズメを見るたびに「頑張れ、スズメの子供たち」と呟く。そして、生き残った1羽は、それ以降の冬を耐えていける。7年から9年といわれるスズメの寿命を全うできる資格を得るのだという。

 自転車ツーキニストもちょっと似ている。

 最初の冬を乗り越えることができるかどうかが、今後の自転車ライフを占う上でのメルクマールだ。ひと冬乗り越えることができたなら、その人にとって、自転車は日常のモノとなり得る。

 ……と、本当みたいでしょ。さよう。半分は本当。しかし、半分は本当じゃない。実のことをいうと、自転車にとって冬は楽だからだ。

 なぜなら自転車ってものは走っているウチに必ず暖まってくるものだから。特に首都圏あたりで「冬はつらい」なんてのはイメージ的なものに過ぎない。子スズメに笑われてしまう。

 イメージに反して、冬こそ自転車の季節だ。

 冬を乗り越えるも何も「冬こそが自転車に向いている(本当)」という、何とも素晴らしい現実があるのである。

「自転車にとって冬こそベストシーズン」という理由とは?

 まずは自転車を漕いでいれば、身体は必ず暖まってくる。その時の気温にもよるけれど、暖まるまでだいたい5分から10分。首都圏程度の気温なら、10分以上自転車に乗って暖まらないなんてことはないと断言できる。自転車乗りにとって「冬は寒い」は長続きしない。

 その上で、冬のメリットを挙げていこう。

 まずは当然ながら「気温が低い」ことだ。この低い気温と風が、火照った筋肉を覿面に冷やしてくれる。これはそのままロングライドに向いていることに直結する。

 真夏の太陽がじりじり照りつける中を走ることを思い出していただければ分かるけど、冬の方が、なぜか速く走れるし、長く走れるよな、という実感を持っている人も多いのではないか。ことはマラソン選手と同じで、筋肉にとって、余計な熱というものが、どれほど邪魔になっているか、ということなのである。

 その一方で、冬の自転車は「ダイエットに効果的」という嬉しい事実まである。

【次ページ】 漕ぎ出しの「うーっ、寒い!」をどう乗り越えるか?

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