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オリックスのエース金子が
CS進出に懸ける熱き思い。
~故障離脱の借りを返すために~ 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/09/30 06:00

オリックスのエース金子がCS進出に懸ける熱き思い。~故障離脱の借りを返すために~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 今季、もしオリックスがクライマックスシリーズ進出を果たし、ターニングポイントになる試合をあげろと言われれば、9月6日の楽天戦になるだろう。両チームはゲーム差なしの1毛差で、3位争いの真っ只中。オリックスの先発は、岡田彰布監督が「ウチのエースは、そらもう19番よ」と信頼を寄せる金子千尋、相手は「ここ一番の大切な試合で相手エースに投げ勝つのが1億円以上もらってる投手の務め」と語る岩隈久志だった。

 岡田監督の期待を感じた金子は「大事な試合を任されたのは知っている。相手より先にマウンドを降りない」と、強い決意で試合に臨んだ。結果は、被安打3、10奪三振の好投で楽天打線を完封。直接対決の頭を取ったことがチームに弾みをつけ、3連戦を2勝1分と勝ち越すことにつながったのだ。

 金子が頭角を現したのは、プロ入り4年目に二桁勝利を挙げた'08年。この年、オリックスはCSに進んだが、金子は先発の機会がないままチームは敗れた。このとき「エースと呼ばれる一番手の投手にならねば」と痛感したという。昨年、17勝を挙げて最多勝を獲得しても、「優勝に結びつかない最多勝なんて」と言い切った。

エース不在の穴は寺原隼人と西勇輝が埋めた。

 今季は“20勝とCS進出”を目標に掲げていたが、春のキャンプで右肘遊離軟骨の除去手術を受け、開幕に間に合わせることができなかった。エース不在の穴を埋めたのが、移籍してきた寺原隼人と西勇輝だった。特に肘を故障した経験がある寺原は「戻って来るまで踏ん張っているから、あせらずリハビリをしろ」と金子を励ました。投げられない日々の中、球界OBにも相談をしながら、低めへのコントロール中心の投球を徹底的に研究していたのだという。

 6月の復帰戦に勝利した金子は「今まで迷惑をかけた分、クライマックスに出るために必ずゲームを作り、借りを返していきたい」と語った。9月6日に岩隈に投げ勝った後、13日にも再び岩隈と対戦。9回を無失点に抑えて、10回サヨナラ勝ちに繋げた。

 出遅れたエースの踏ん張りが現在のオリックスの推進力だ。何よりも本人が強く願う「クライマックスシリーズの初戦先発」という目標に一歩ずつ近づいている。

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