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高校野球人気の特異性。
~秘密は“連覇”の有無にあり?~ 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byKYODO

posted2011/09/25 08:00

高校野球人気の特異性。~秘密は“連覇”の有無にあり?~<Number Web> photograph by KYODO

8月20日、深紅の優勝旗を先頭にグラウンドを1周する、10年ぶり2回目の優勝を決めた日大三ナイン(手前)と準優勝の光星学院ナイン。強打で勝ち進んできた日大三と、東北地方の期待を背負う光星学院との決勝に大きな注目が集まった

 夏の甲子園は、日大三の10年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。日大三は、今大会に参加した4014校――今年度の高野連加盟校数で言えば、4090校の頂点に立ったわけだ。

 この「4090校の頂点」といった表現は、高校野球で優勝が決まった時の、一つの決まり文句になっている。全国優勝することの価値を、これで示しているわけだ。

 だが、「高校日本一」を決める全国大会を行なっているのは、野球だけではない。毎年夏には「インターハイ」が開催され、さまざまな競技の高校生アスリートが、一堂に会して日本一を争っている。今年は北東北――青森、岩手、秋田の3県を中心に開催された。

 高校野球は、甲子園で行なわれる全国大会が全試合テレビで生中継されるという、あらゆる学生スポーツの中で別格の扱いを受けている。このため、大会規模も別格というイメージが、あるいはあるかも知れない。

夏の高校野球は、高校スポーツで一番大きい大会ではない。

 だが、高校野球と同じ程度の規模で行なわれている高校スポーツはほかにもある。別表は、今夏のインターハイ、球技で優勝した学校の一覧だ(卓球やテニスなどは団体戦の優勝校)。競技別の加盟数は、野球は今年の数字。それ以外の競技は、最新のデータである昨年の数字を採用している。加盟が4000校を超えている競技は、野球以外に、球技だけでもこれだけあるのだ。

サッカー男子(4185校)
バスケットボール男子(4553校)
バスケットボール女子(4064校)
バレーボール女子(4159校)
卓球男子(4265校)

●2011年夏・球技の高校日本一
競技   加盟数 優勝校 地区 回数
野球 4090 日大三 西東京 10年ぶり (2)
サッカー 4185 桐蔭学園 神奈川 初優勝
バスケットボール
4553
4064
延岡学園
金沢総合
宮崎
神奈川
3年ぶり (3)
13年ぶり (3)
バレーボール
3034
4159
創造学園
東九州龍谷
長野
大分
初優勝
2年ぶり (5)
卓球
4265
3258
青森山田
四天王寺
青森
大阪
7年ぶり (14)
3年ぶり (17)
バドミントン
3566
3845
埼玉栄
青森山田
埼玉
青森
7年連 (8)
2年ぶり (8)
テニス
3031
2798
四日市工
富士見丘
三重
東京
初優勝
2年連 (8)
ソフトテニス
2713
2911
東北
広島翔洋
宮城
広島
7年ぶり (2)
2年連 (16)
ハンドボール
1246
951
小林秀峰
華陵
宮崎
山口
初優勝
初優勝
ソフトボール
352
1575
大村工
厚木商
長崎
神奈川
初優勝
6年ぶり (6)
ホッケー
108
93
横田
岐阜各務野
島根
岐阜
3年ぶり (5)
2年連 (23)
※回数欄の( )内の数字は優勝回数

 どの競技も、野球と同様、最初に各地区大会があって、そこを勝ち抜いて全国大会に進み、日本一を争う。この形式は同じである。

 単純に加盟校の数を比較すれば、一番多いのはバスケットボール男子で、卓球男子、サッカー男子、バレーボール女子と続いて野球は全体の5番目ということになる。全国の加盟校という点では、夏の高校野球は、高校スポーツで一番大きい大会ではないのである。

【次ページ】 メディア露出でも野球だけが何故ずば抜けているのか?

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