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菊池フィーバーから日産休部まで。
2009年アマチュア球界10大ニュース。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2009/12/28 10:30

菊池フィーバーから日産休部まで。 2009年アマチュア球界10大ニュース。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

09年夏の甲子園で、敗れてなお主役となった菊池雄星。日本文理は新潟県勢初の決勝進出となった

 今年のアマチュア球界における10大ニュースを考えてみた。

 (1) メジャーリーグまで巻き込んだ菊池雄星(花巻東)フィーバー

 (2) 甲子園最低勝率県・新潟代表の日本文理が夏の選手権決勝進出

 (3) 大学野球を席巻した下級生(1~3年生)投手

 (4) 優勝初体験の県同士でセンバツ優勝を争う

 (5) 社会人野球の強豪・日産自動車が休部

 (6) 躍進する地方大学(富士大、創価大、上武大、関西国際大など)

 (7) 社会人野球はHonda時代到来

 (8) 日米大学野球で日本が2連覇

 (9) 独立リーグの3選手がドラフトで指名される(過去最多)

(10) 高専3年生が初めてドラフトで指名される

次点  WBCで日本が連覇

 実力、実績、将来性とも文句のない菊池は真面目さも折り紙つきで、甲子園大会の囲み取材で真後ろから質問したところ、何とこちらに向き直って(筆者と正対して)答えてくれた。首だけ質問者に向けて答えるのが普通で、質問する人間もそれを失礼な態度だとは思わない。真面目の上に「超」の字がつく不思議なオーラを漂わせる選手だ。

 日本文理の決勝進出には正直驚いた。センバツの清峰(長崎)対花巻東(岩手)も優勝すれば初体験同士の決勝戦だったが、2校の評判が高く、超高校生同士の対決でもあり日本文理ほどは驚かなかった。甲子園の勢力図はどんどん塗り替えられている。

社会人野球の停滞と地方大学の活況が露わに。

 日産自動車の休部はとても寂しい。社会人野球王国を築いた神奈川から2年続けて三菱ふそう川崎('08年限りで休部)、日産自動車('09年限りで休部)が消え、残る強豪は新日本石油、東芝、三菱重工横浜の3チームだけになった。救いは、'08年夏にそれまでのクラブチームから企業チームへと再登録した三菱重工横浜の頑張り。同チームから'09年社会人ベストナインに2人の選手が選出された。なお、日本野球連盟のHPには「社会人チームの推移(増減)」が紹介され、それによると'63(昭和38)年に237あった企業チームは'09(平成21)年には85チームまで減少している。

 この社会人野球の停滞が地方大学の活況につながっている。高校球児の受け皿(社会人野球)が痩せ細れば、新たな受け皿(地方大学)が生まれるのは当然である。'09年夏の大学選手権では北東北大学リーグの富士大が決勝に進出し(法大に1対5で敗れる)、準決勝には阪神大学リーグの関西国際大、東京新大学リーグの創価大が進出。また、秋の明治神宮大会では関甲新学生リーグの上武大が決勝に進出し(立正大に0対2で敗れる)、京滋大学リーグの佛教大が準決勝に進出するという具合である。

 地方大学とともに独立リーグも頑張っている。経済的に苦しい立場に立たされているのは社会人野球と変わらないが、ドラフトでは前田祐二(BCリーグ福井→オリックス4位)、福田岳洋(四国・九州アイランドリーグ香川→横浜5位)、荒張裕司(四国・九州アイランドリーグ徳島→日本ハム6位)の3人が指名されている。これは育成ドラフトを除けば、過去最多人数である。経済的支援はしないが、選手を指名することによって独立リーグの後押しをするというプロの姿勢は真っ当である。高専3年生の鬼屋敷正人(近大高専→巨人2位)を、規約を変えて入団可能にしたのも好感が持てる。

<次ページに続く>

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