カメラマンが語る:スポーツ写真の魅力とはBACK NUMBER

自分だけの一瞬を狙ってシャッターを切る。 

text by

福本悠

福本悠Yu Fukumoto

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photograph byTsutomu Kishimoto

posted2009/05/14 10:00

自分だけの一瞬を狙ってシャッターを切る。<Number Web> photograph by Tsutomu Kishimoto

フリーカメラマンとして、サッカーを始めさまざまなスポーツを撮影する岸本勉。
そんな彼にスポーツ写真を撮る魅力、こだわり、楽しさを聞いた。

 ピッチサイドで決定的な瞬間を狙うスポーツカメラマン。ワールドカップの最終予選ともなると、その数は100人を超える。

「これだけカメラマンがいると撮っているプレーも同じだし、絵も当然似てしまいます。そのなかでどうオリジナリティを出すか、それが勝負だと思っています」

 と、スポーツカメラマン岸本勉は言う。オリジナリティを出すために、岸本は自分なりのポイントを決め、狙った瞬間が来るまでシャッターを切らない。

スポーツカメラマンとして迫力ある写真にこだわる

「なんとなく撮った写真と考えて撮ったものとでは写真のもつ力が全然ちがいます。引いた絵で観客席を入れて臨場感を伝えるのか、選手にアップで寄って迫力を出すのか……。試合の展開や内容によってどんな絵を撮ればいいのか、撮影中はいつも考えています」

 しかし、スポーツカメラマンとして迫力のある写真にはこだわる。

「アクションのある写真がきっちりと撮影できてスポーツカメラマンだと思っているので。動いている選手をアップで撮るのは難しいですけど、スポーツ写真は迫力があってこそですから」

 そんな岸本が日本代表で注目しているのが、大久保嘉人だ。

「ディフェンスと勝負をするとき選手は身体に力が入ってるんですね。だから躍動感のある写真になる。大久保は積極的に仕掛けるし、目に力があるので撮っていて一番絵になる選手だと思っています」

理想の写真を追い求め続ける……

 岸本には理想とする写真がある。それは見た人がいろいろと感じてくれる写真だ。

「これはいい写真だねって、一言で終わるとつまんないじゃないですか。見たときになんでこんな写真が撮れたの?このシーンを反対側から見るとどうなっているの?とか、見た人によって違う感想があると楽しい」

 理想の写真を求めて、岸本は今日もスポーツを撮り続ける。

写真 バーレーンの選手と交錯する大久保。超高感度に設定し、モノクロの質感を生かすことで躍動感を表現
東京都府中市出身、静岡県御殿場市在住。10年あまりスポーツ・フォト・エージェンシーでスタッフカメラマンとして活躍。'03年、フリーランスとなり、世界的なスポーツイベントを撮影する。サッカーW杯は'94年のUSA大会から、夏季・冬季五輪はともに'92年アルベールビル、バルセロナ両大会より連続取材。'98年サッカーW杯フランス大会の日本vsジャマイカ戦ではFIFAの公式フォトグラファーを務める

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