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長寿番組『SRS』終了。UFC放映は嬉しいが……。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2008/09/04 00:00

長寿番組『SRS』終了。UFC放映は嬉しいが……。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 今秋、格闘技を取り巻くテレビ環境が大きく様変わりしそうだ。まずフジテレビ系の格闘技情報番組『SRS』が10月3日の放送を最後に12年半の長き歴史に終止符を打つ。SRSはK−1、PRIDEのプレビューを中心に番組を構成しながら、時にはキックボクシング、PRIDE以外の総合格闘技、空手にも目を向ける格闘技LOVEに満ちた姿勢には定評があった。

 格闘技好きな人気タレントを起用して、このスポーツを一般大衆に広めるという試みに挑んだレギュラー番組もSRSが初めてだった。今でこそ格闘技好きを公言する女性タレントは少なくないが、そのパイオニアはSRS初代メインキャスターの藤原紀香だろう。彼女が登場するまで女性タレントが格闘技を語ることはマイナスと見られていた。

 格闘技ウォッチャーの裾野を広げたという意味で、SRSが果たした役割は計り知れないほど大きい。分岐点となったのは、一昨年夏にフジテレビがPRIDEの放送休止を決定したことだろう。聞き慣れぬコンプライアンスという言葉が胸に突き刺さった。現在でも同時間帯で放送中の他局のコンテンツと比べると、決して視聴率が悪いわけではない。スポンサーが撤退したわけでも、内容的な評価が落ちたわけでもない。深夜番組としては記録的な長寿番組となったSRSが終了するのは、時代の流れと割り切るしかないのだろうか。コンプライアンスという言葉が独り歩きして以来、地上波のコンテンツからダイナミズムが失せたと思っているのは私だけではあるまい。

 ジ・エンドとなる番組があれば、再スタートを切る番組もある。WOWOWのUFC中継がそれだ。昨年春まで同局はアメリカで人気爆発中のMMAイベントを定期放送していたが、契約更改の際に交渉が決裂。1年以上に渡ってテレビではアメリカで人気絶頂のMMAイベントが日本では見られないという不遇な状況が続いていた。今のところ、UFCは選手層、試合のクオリティとも世界のMMAイベントの中でNo.1。徹底した実力至上主義を貫く点は、日本のMMAイベントと大きく異なる。UFC中継が再開されたら、今以上に金網に囲まれた八角形の試合場──オクタゴンを目指す日本人ファイターが増えることは間違いない。

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