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ストーブリーグ開幕で注目すべきボンズの動向。 

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出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2006/10/26 00:00

ストーブリーグ開幕で注目すべきボンズの動向。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 今年の王者がまだ決まっていないというのに、ストーブリーグの火は早くも真っ赤に燃えている。レギュラーシーズンが終わるのを待ちかねたように、5球団が監督の解任、退任を次々に発表、さらにポストシーズンで期待を裏切る早期敗退となったヤンキースの大幅な刷新が確実視されているからだ。また、シーズン中に起こった過去に例を見ないような若手台頭というニューウェーブの大きなうねりが、ストーブの火を一段と燃え上がらせ、勢力地図を変えようとしているのだ。

 そんな中で動向が注目されるのは、ジャイアンツからFAになるバリー・ボンズである。度重なる膝の手術や、ステロイド疑惑にさらされながらも、26ホーマーを放ち、ハンク・アーロンの持つ夢の大記録755本まで、あと21本に迫っている。

 だが、14年もの間在籍していたジャイアンツには、どうやら再契約する意思がなさそうなのだ。オーナーのピーター・マゴワン氏は「ボンズを中心に置かないチーム作りの時期にきている」と来年の構想から外していることを間接的な表現で表明している。

 これに対して、ボンズの代理人であるジェフ・ボリス氏は「期待を裏切るコメントで驚いている」と反発。この両者の応酬から判断する限り、残留の可能性はかなり低い。

 だからといって、即引退とは結びつかない。本人もシーズン中に匂わせるような発言はしているが、現状では現役続行は限りなく100%に近い。なぜならシーズン中に悩まされていた左ヒジ痛を取り除くための手術をしたことが明らかにされたからだ。「もう大丈夫、早く体を動かしたいよ」とアピールするほどの健康体なのである。

 現在は偽証と脱税の容疑で、連邦大陪審で審議継続中という微妙な立場にはあるが、ホームラン記録に加えて、159本まできている通算3000本安打達成の可能性も秘めている。つまり、来シーズンはダブルチャレンジということになる。それだけにパンチ力のないチームだけでなく、観客動員力の乏しいチームにもノドから手が出るほど欲しい存在であることに違いはない。ボンズはこの冬、最大の“火種”となるだろう。

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