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日本のユース世代が、アジアを勝ち抜く厳しさ。 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph byToshiya Kondo

posted2006/11/23 00:00

日本のユース世代が、アジアを勝ち抜く厳しさ。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

 A代表のアジアカップ予選をはじめとして、このところ、U―16代表、U―19代表と、日本代表が立て続けにアジアの大会に挑んでいる。

 アジアを戦い抜くことの厳しさはいまさら言うまでもないが、それは何も、実力的なことばかりが理由ではない。アジアの大会を取材していると、サッカーにおける“発展途上地域”ならではの出来事に、数多く直面するのである。

 先ごろのAFCユース選手権。U―19サウジアラビア代表のブラジル人監督、ジルソン・ヌネスはすごい剣幕でまくし立てた。「5日間で3試合だなんて、ばかげている。AFCは考え直すべきだ!」。1日おきに3試合をこなさなければならない、一次リーグの過酷な日程に不満は爆発した。かつて同選手権やアテネ五輪予選で、UAEのU―19、U―23代表を率いたフランス人監督、ジャン・フランソワ・ジョダールも大会の度に、「選手は疲れ果て、本来の力が出せない」と、同様の主旨の発言を繰り返していた。彼ら“先進国”の人間の目には、アジアの通例は不可解極まりないものでしかない。

 問題は運営面だけにとどまらない。

 9月に行われたAFC・U―17選手権では、別の国際大会で年齢詐称が発覚した選手が登録されていたことが理由で、ラオスが開幕直前に出場停止となった。すでに過去の遺物にも思える年齢詐称も、アジアではいまだ現役なのである。

 さらに同じ大会では、一度退席処分を受けたはずのイランのドクターが、その後も業務を強行。それが審判に黙認されるという珍事まで起きている。もはや、何が起きても不思議ではない。

 残念ながら、これがアジアの現状である。サッカーの発展とは、ワールドカップで上位に進出することだけではない。今後、アジアのサッカーが発展する上で、様々な秩序を整えていくことも重要な課題であるはずだ。とはいえ、それらは一朝一夕に解決されるものではない。日本がアジアに属する以上、避けては通れない障害でもある。少々道理に合わなくても、それをたくましく乗り越えて、世界に出て行かなければならないのである。

 トリを飾るU―21代表が今月、ドーハで開かれるアジア大会に出場する。まもなく大会が始まるというのに、試合日程は、つい最近発表になったばかりである。

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