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容赦なく狙われる、2006年の魔裟斗。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byToshiya Kondo

posted2006/01/26 00:00

容赦なく狙われる、2006年の魔裟斗。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

 開催直前になって欠場者が相次いだ12・31 Dynamite!!」で、“中量級のカリスマ”魔裟斗(シルバーウルフ)が電撃復帰を果たした。昨年夏、マイク・ザンビディス(ギリシャ)との試合中に左足を骨折。その後はリハビリに励んでいた。当初は来る2月4日に開催される「K―1 WORLD MAX 2006〜日本代表決定トーナメント〜」での復帰を計画していたものの、年に一度のK―1祭りの一大事に、魔裟斗は重い腰を上げた。以前から「納得のいく調整期間がないと、試合は絶対に受けない」と公言していた魔裟斗だけに、今回のようにわずか10日間の調整でリングに上がるケースは珍しい。

 それでも魔裟斗はプロボクシングの元日本王者・大東旭(チーム・クラウド)の左足を右ローキックで粉砕。計4度もダウンを奪って圧勝した。試合前、大東は「打ち合いになったら絶対に負けない」と自信満々だったが、蹴りもある距離での闘いになると、パンチでの闘いになっても魔裟斗の方が遥かに上。しかも回復が心配されていた左足も蹴り足として使っていただけに、魔裟斗にとっては上々の復帰戦だったといえるだろう。

 '03年、日本人選手として初めてK―1世界王者になって以来、魔裟斗は一層ハードトレーニングに励むようになった。決して現状に満足することなく、追われる者の恐怖と闘ってきたのだ。結局それがオーバーワークとなり、骨折を招く要因のひとつになったと推測したら複雑な気分になってしまう。

 魔裟斗の青写真は既に出来上がっている。2月4日、既に対戦が決定しているイアン・シャファー(オーストラリア)を下せば、4月5日に開幕する世界一決定トーナメントには推薦枠で出場する可能性が高い。この開幕戦をクリアしたら、続く6月30日の決勝トーナメントでは1日3試合も勝ち続けなければ優勝できない。回を重ねるごとにレベルアップしていく一方のトーナメント出場選手は、容赦なく魔裟斗の古傷を狙ってくることが予想される。非情な攻めは勝負の世界の常。果たして傷が癒えたばかりの左足は連戦に耐えられるのか? 中量級のカリスマにとっては目の前の敵とともに、自らのコンディションとも闘わなければならない1年になりそうだ。

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