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メッツの未来を背負う三塁手ライトは21歳。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2004/09/09 00:00

メッツの未来を背負う三塁手ライトは21歳。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 「今年こそ9月に意味のある戦いをしていい」と、メッツのオーナー、フレッド・ウイルポンはシーズン前から繰り返し語ってきた。しかし、前半戦を支えてきた先発投手陣の不調、故障者の続出で、残念ながら空念仏に終わった。この状態では、3年連続最下位を免れるのが精一杯だろう。

 その悲惨なシーズン後半の唯一の光といえるのが、オールスター後に昇格したデービッド・ライト三塁手である。

 「ウチのマイナー組織で最高の素材ではあっても、まさか今年メジャーでプレーできるようになるとは思わなかった」

 と、ジム・デュケットGM。実際、21歳のライトは今年、ダブルAで開幕を迎えている。スケールの点ではやや劣るが、攻守走三拍子揃ったスコット・ローレン(カージナルス)のようなタイプだ。

 「素質はもちろん、順応性の高さが際立っている。そして、今どきの選手には珍しく走塁がうまい。一言でいえば、スマートな選手だ」

 と、ライトを送り出したダブルAのケン・オバークフェル監督がいう。

 その言葉を裏付けるように、昇格当初は変化球に戸惑いを見せていたが、瞬く間にセンスのよさを発揮、30試合に出場して、打率が・300、16打点、6ホーマーを記録している(8月23日現在)。

 「僕の特徴はツーストライクを取られてから粘り強い打撃ができること。早いカウントから積極的に打ちにいくのは基本で実践しているけれど、僕の持ち味は忍耐強さなんだ」

 と、ライト。長い睫毛と大きな瞳が印象的だ。進化を続け、ビッグになっていけば女性ファンの心も捉えるに違いない。

 このライトの台頭は、メッツにとって創設以来の悩みを解消することにもつながる。'62年の球団誕生以来メッツは三塁手に恵まれず、'96年以降、なんと25人の選手が入れ替わり立ち代わり守り、このライトが実に第129代目の三塁手ということになるのだ。

 「今は、初めて対戦する投手たちにどうやって順応していくかで頭が一杯なんだ。閉幕までの残り試合で来年に繋がる自信をつけたい。そして、これから先もずっとメッツの三塁手でいたい」

 と、明快に答える。マイク・ピアッツァの後を受け継ぐチームの顔になる予感がする。

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