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ドイツで爆発する高原、
その秘密は「マリーシア」。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byMiki Nagai

posted2006/12/07 00:00

ドイツで爆発する高原、その秘密は「マリーシア」。<Number Web> photograph by Miki Nagai

 「タカハラは3トップだ」「いや2トップだろ」。最近、高原直泰のポジションをめぐって、フランクフルトの地元記者の間で意見がまっぷたつに割れている。

 実際、高原のポジションはわかりづらい。ビルト紙は「2トップ」なのに、キッカー誌は「3トップ」。高原はセンターFWというほど中央にいるわけでもなく、ウィンガーというほどサイドに張りついているわけでもない。左に右に目まぐるしくポジションを変え、同僚のシュトライトと髪型が似ているものだから、つい2人を見間違えてしまう。

 だが、このポジショニングにこそ、高原の好調の秘密が隠されている。

 センターバックに比べて、サイドバックの方が競り合いに弱いことが多い。だったら、フィジカルで劣る日本人FWとしたら、屈強なセンターバックとまともに勝負しないで、サイドバックと対峙した方が空中戦でもポストプレーでも勝率はあがるはずだ。たとえばバイエルンなら、身長196cmのファンブイテンよりも、左サイドバックのラーム(170cm)の方がやりやすい。

 ただ、サイドに張りついたままだと、高原のシュートのうまさや視野の広さが生きない。基本的にはサイドにいて、流れの中でフレキシブルに動き回るのがいい。

 ドイツで3年半苦労して見つけた高原流のFW術だった。相手の弱いところをつくのだから、「マリーシア」(狡賢さ)と言ってもいいかもしれない。スタンドから見てもわかりづらいのだから、DFはもっと捉えづらいだろう。

 高原は言う。

 「監督とも話をしたんですけど、オレが外に開くと同時に、中に入ってボールをまわす起点になるくらいのことをやらないといけない。その方が自分が生きる」

 ハンブルガーSV時代とは違って、フランクフルトではDFを背負ってボールを受ける場面がほとんどなくなった。自身の苦手な状況を作らないように、ポジショニングを考えているからだ。自分のリズムでプレーできるので自信も増す。そういう勢いが11月のボルシアMG戦とコットブス戦の連続ゴールを生んだ。

 今後、日本人FWがヨーロッパで戦っていくうえで、高原が確立しつつあるスタイルは大いに参考になるだろう。

■関連コラム► 高原とオシムは相思相愛になれるか。 (06/10/30)

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