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オーバーテイク続出が、モナコの街を熱くした。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2005/06/09 00:00

オーバーテイク続出が、モナコの街を熱くした。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 夜になっても騒ぎは収まっていない。モナコGP挑戦5回目で初めてパーフェクト・ウイン(ポール・ポジションから全周回をリード)したK・ライコネン。表彰台では「もっと喜べよ」とも思ったが、今頃史上27人目“モナコ覇者”になった嬉しさを噛み締めているはずだ。

 勝ったライコネンだけは78周、誰ともバトルはなかった。こういった自分だけのクルージング・パターンはしばしばある。それでも今年のモナコは賑やかで華々しく、激しく熱かった。狭い公道でこれだけサイド・バイ・サイド、オーバーテイクが見られた年も珍しいからだ。抜かずに黙って順位を上げたものは一人もいなかった。2位N・ハイドフェルド(予選6位)、3位M・ウェバー(同3位)はポイントリーダーたるF・アロンソをシケイン入口でかわして逆転。まさにトンネルを抜けたあと青空の下で、ウィリアムズ・BMWは、今季初めてルノーを実力で抜いてみせた。逆転を許したアロンソとルノーは、CSスカパー生中継ではすでに申し上げたが、チョイスしたリア・タイヤが早めに磨耗。同じミシュラン系チームの中で彼らだけがマシンとタイヤのマッチングが完全ではなかった。

 最後尾スタートにまわされたR・シューマッハーが6位。事故追突でノーズ交換を余儀なくされたM・シューマッハーも13位から怒りの追撃で7位。BSタイヤの決勝ペースは抜群で(最速ラップ1分15秒842をマーク)、最終周にチームメイトをかわし、ゴールラインで弟に並ぼうと仕掛けた。アロンソやM・シューマッハーが“主役”から“脇役”に回らざるを得ず、それがかえってバトルを白熱させ、レースをヒートアップさせた。

 いよいよ2連戦が繰り返されるハードスケジュールが始まる。レース後、マシン運搬トランスポーターやモーターホームが5月29日のヨーロッパGP移動のため、撤収を急いでいる。ハイドフェルドが抜き、ウェバーが刺した海沿いの道は大渋滞のままだ。停泊中のクルーザーからはダンスミュージックとともに、ザ・ローリング・ストーンズのヒット曲『アイ・キャント・ゲット・ノー・サティスファクション』が流れている。レーニエ大公が去った後のモナコ。個人的にはレースは賑やかでそれでいいのだが、少し街全体がはしゃぎすぎではないかと思った。

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