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最終回は、スギッチ流フットボールの愉しみ方。 

text by

杉山茂樹

杉山茂樹Shigeki Sugiyama

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photograph byShinji Akagi

posted2005/03/17 00:00

最終回は、スギッチ流フットボールの愉しみ方。<Number Web> photograph by Shinji Akagi

 なんと今回で、僕は当コラムの担当を退く。バンザーイと喜ぶ読者の顔が目に浮かぶ。そちらの方が、残念がってくれる人より遥かに多いと思う。また、そうでなくては困るというのが本音だ。

 人と違うことが言いたい。吃驚させたい。世間に波風を立てたい。むしろ反発を買い、嫌われたい。あまのじゃくなのだろう。僕には根っから人騒がせな血が流れている。一歩間違えば、単なる嘘つき、ホラ吹きになりかねないところだが、ホラは絶対に吹いていないという確信は持ち合わせている。ホラを絶対に吹かず、人を驚かせるにはどうしたらいいか。優先すべきは、嘘がないことだが、となれば、必然あまのじゃくの虫が騒ぐ。両者とどう折り合いをつけるか。解決方法は難しくない。人と違うことが言い出せそうな匂いのする現場に、絶対的な確信を掴むまで足を運べば良いだけの話である。

 幸いにも腰は軽い。旅行も大好き。機上の長時間移動も苦にしない。'90年代に入ると出国回数は途端に増した。この連載を引き受けたのは'94年の夏だったと記憶するが、その頃はまさにイケイケドンドンが、スタイルとして身に付いた頃で、自分なりにツボを掴んだ時期とも符合する。この11年間に出国回数は150近くに及ぶ。「スギヤマさん、さすがー」と感心する人より「馬鹿じゃないの、彼奴は」と、呆れる人の方が遥かに多いだろう。自分でも馬鹿だなーと呆れるくらいだが、馬鹿も極めれば貴重な気もするし、毎度必ずや新鮮な発見があることも確かで、それはそれでとても充実した日々である。来なきゃ良かったと後悔したことはただの一度もない。

 そこで得た確証を、このコラムにもずいぶん反映させてきたつもりだ。一部のカメラマンを除き、同じ動きをする人は皆無に等しいので、僕の持ち帰る意見は変に思えて仕方がないはずだ。たまに人から「スギヤマさんと同じ意見です」などと言われると、インパクト不足を露呈したようで、逆にガックリする。それを避けるためにも、日本の状況を知ることが大切になる。外国で暮らすより、日本在住者の立場でいたほうが「ツボ」は見えやすい。今後も往復を繰り返すつもりだ。どこかで僕の名前を見かけたら、彼奴はアホな奴だと馬鹿にしてやってください。本誌でも近々、別コラムで復活の予定ありらしいです。

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