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主役の座を掴んだ、ブレーブスの新星。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

PROFILE

photograph byYukihito Taguchi

posted2005/09/15 00:00

主役の座を掴んだ、ブレーブスの新星。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 「奴は間違いなくスーパースターになる。このままの調子でいったら、デール・マーフィーの再来になれるよ」

 チームリーダーのチッパー・ジョーンズは'82年、'83年と2年連続MVPに輝いた球団史に残るヒーローの名前まで挙げて、21歳のジェフ・フランコアが秘める可能性の大きさを表現した。

 この新人は、それほどセンセーショナルな大活躍を見せている。右翼手ブライアン・ジョーダンの故障でダブルAから昇格した7月7日、その第4打席目に勝敗を決する3ランでデビューを飾ると、その後も豪快なスイングで面白いように打ちまくり、守っては走者の進塁を阻む強肩を披露している。8月30日現在、 41試合に出場して打率.349、10ホーマー、31打点、9補殺。

 「いま起こっていることがどういうことなのかを理解できるのは、きっとシーズン後になるだろうね」

 フランコアはいかにもルーキーらしい初々しさで心中を語る。

 シーズン途中に突如現れたシンデレラボーイ。だが、球団は大きな期待を寄せていた。'02年のドラフト1位指名。高校時代には野球とフットボールでジョージア州の年間最優秀選手にも選ばれている。自宅は本拠地球場ターナー・フィールドから車で約20分のアトランタ近郊だ。

 「小さい頃から応援しているチームに入団できて、こうやって憧れのユニフォームを着ることのできる選手はそういないと思う。僕は本当にラッキーだよ」

 そのプレーぶりは、言葉を裏付けるように喜びに溢れ、実に積極的。いや、むしろバットを振るのが嬉しくて、抑えきれないという様子なのだ。とにかく、ストライクは逃さず振りにいく。その結果、初の四球を選んだのは、なんと131打席目のこと。それも敬遠の四球だった。

 「恐れを知らない。いかなるものからも脅威を受けないって感じだね」

 33歳のC・ジョーンズは羨ましそうに言う。

 今年のブレーブスはこのフランコアを始め、主力の故障でチャンスを掴み、急成長した若手が目白押し。戦力を厚くしているだけでなく、例年には見られない爆発力も備えている。14年連続地区優勝はもちろん、'95年以来となる世界一への期待も一段と膨らんでいる。

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