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鈴鹿が“一時引退”表明。20回目に切望すること。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2006/10/12 00:00

鈴鹿が“一時引退”表明。20回目に切望すること。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 ここではっきり言っておくと、2人の関係は今、とても冷え切っている。F・アロンソは、M・シューマッハーにだけは若輩者としてずっとリスペクトの心を持ち、どんな接戦後であっても自分の方から祝福する態度を示してきた。

 そんな彼が次第に敵意をむき出しにするようになった。だがそれは、シューマッハーにコース上で何かされたからではない。自分と自分のチームに対し、どう考えても不条理としか思えない判定(ペナルティ)が下り、相手側に有利となるように動いていると感じ始めたからだ。第12戦ドイツGPからの4戦でアロンソとルノーにペナルティがなかったのは、第14戦トルコGP1戦だけである。これはかなり異常なことだ。現場で取材をしていても、彼らが“有罪処分”を受け続けるほど非スポーツ的行為を重ねたとは思えない。追う側より、むしろチャンピオンシップをリードする側こそレギュレーション遵守の姿勢を強めるものであるから。

 こういう見解を、日本GP直前にこのコラムで述べるのはとても残念だ。ましてや大きな時代を築いてきたM・シューマッハーが、8冠となり勇退できるか、若き王者が2連覇できるかという両者の“対決”構図になっている。世界のメディアは今、スズカでアロンソが今度はどんなペナルティを受けるのか、そこに好奇心を抱いているようだが、FIA及び日本GP審査委員会はどのドライバーであれ、どのチームであれ、ルールに対して適正に判断を下していく姿勢を示し、このスポーツの品格を保つべきだろう。

 20回目を迎える鈴鹿・日本GP。今年の見どころは、アロンソのスプーン・カーブ、シューマッハーのS字。このコーナーが2人のポイントになるはずだ。昨年、アロンソは決勝中に130Rでシューマッハーを抜いたが、それはスプーンの速度差をキープして勝負に出られたから。一方のシューマッハーはアクセルとブレーキを同時に使い分けるテクニックでS字を駆る。両者の走りでスプーンとS字に注目だ。

 こうしたテクニックとテクニックの競い合いが20年間にわたる日本GPを熱くしてきた。大きな区切りとなる“鈴鹿の一時F1引退”をコースサイドで目に焼き付けておこうと思っている。

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